データウェアハウスとは?

テクノロジー


顧客戦略、マーケティング戦略に幅広く対応するために使用されているデータウェアハウスはIT用語でDWHとも呼ばれています。

様々な情報を時系列で保管できるデータベースのことをデータウェアハウスと呼んでいます。

データベースは現在業務を行なっているデータを格納しているのに対し、データウェアハウスは過去のデータを時系列で保存する格納庫なのです。

また、データ分析をすることで今後の購買予想などがしやすくなり、データの更新や削除を行う必要がないのが最大のメリットです。


データウェアハウスの定義とは?

サーバ


データウェアハウスの定義は、内容別に保管することやデータを削除しないことが大前提で4つ紹介します。

一つ一つ確認していきましょう。


目的別ではなく内容別に保存すること

データウェアハウスで勘違いされやすいのは、データを目的別に保存することと内容別に保存することです。

目的別で保存してしまうと探したい内容が出てこない為、目的別ではなく業務の内容によって保存していけば必要なデータを抽出しやすくなるのです。


データを統合しておくこと

過去のあらゆるデータが集まっていることで検索しやすくなりますが、部署や使用しているデータベースが取引先や顧客名の名称が少しでも違うと検索にヒットされず、別データが出てきてしまいます。

個別で取引先や顧客に専用IDで管理したり、変換テーブルを使用するなど全てのデータのラベルを一致させておくことでデータウェアハウスが最大限生かせることでしょう。


データが時系列であること

過去のデータを保有しているデータウェアハウスの一番のポイントとなるのが膨大なデータから時系列で表示されることでわかりやすく、家計簿をつけている感覚と似ています。

日付や名称、いくら使ったのかなどがわかることで、過去のデータから使いすぎや節約に繋がっていくイメージです。


データ削除を行う必要がないこと

過去のデータを記録しているので過去のデータを上書きすることも更新する必要がないのです。

一度保存したデータには記録し抽出する役割なのでデータの上書きや更新を行うとデータが重くなったり、検索しても出てこなくなる場合があるので原則として削除することはおすすめしていません。

またデータが蓄積していくことで、データ容量が増えてしまった場合には使用頻度に応じてある程度の期間、もしくは別でバックアップデータを取っておくことでデータを削除することができます。


データベースとデータマートの違いとは?

Network


データを保管する方法の違いによって、データベース、データマートと呼ばれていますが、データウェアハウスと何が違うのでしょう。

一つ一つ、確認していきましょう。


データベースとは

データベースにはデータの保存や編集などたくさんの機能があるので、データの基礎になる部分です。

一番作業量の多いのでデータ分析をするには非常に時間がかかります。

従来のシステムには顧客に対しての販売、会計などでもデータベース機能がありますが、全てのデータを分析して処理することはできません。


データマートとは

データマートでは、データウェアハウスで収集したデータを目的別で抽出することができます。

必要なデータのみを管理することができるので、複数のデータがある際に検索や集計がすぐにできるので細かい分析を行うのに最適です。

データを見るには検索を行う必要がありますが、時系列でのデータ抽出ができないのであくまでも今行っている業務に対して検索を行うことができますし、目的に沿って作成した顧客番号やメールアドレスなどがデータマートに該当されます。

データマートは比較的簡単に構築できますが、データの中から検索をかけても必要最低限のデータしか出てこないので、分析するのも簡単に行うことができます。


データウェアハウス導入のメリットとは

知性的なビジネス分析


データウェアハウスを導入している企業も多くある中で、導入する前に検討することはデータの分散、データ分析に時間がかかることで業務効率化にできないというデメリットがあります。

データウェアハウスを導入することで4つのメリットをご紹介しましょう。


データ収集を簡略化することができる

データウェアハウスを導入することでデータ収集を簡略化することができます。

各部署や顧客等のデータを取り寄せる必要がないので手間も省けますし、統一されたフォーマットに変換すれば必要な分析を手早く行うことができるでしょう。


データを高速に処理することができる

データウェアハウスの専用ハードウェアを利用すれば分析に特化したアーキテクチャを採用しているため、検索性能が改善され、大量のデータを高速で処理することができます。

データ処理を行う際には、1つのクエリ処理に対して複数のノードがそれぞれ独立してデータ処理を行うため、飛躍的にデータ分析が可能となり、業務効率化に繋がるのです。


データの履歴を見ることができる

従来のシステムでは顧客の情報を変更する際には上書きしていましたが、データウェアハウスを利用し古いデータは残ったまま、上書きするのではなく新しいデータを追記することが可能です。

売り上げや顧客データの履歴が見れるので記録ミスや正しい修正データを参照することで履歴を含むデータ分析を行うことができます。


長期的な顧客の動きを予測することができる

基幹系システムでは一定期間を過ぎるとデータが削除されていましたが、データウェアハウスを利用することで1ヶ月単位、半年毎ではなく数年単位でのデータ保持が可能なので長期間にわたって顧客の動向に対してデータ分析を行うことができます。


クラウド型データウェアハウスを活用すれば業務効率化に繋がる

オフィス 会議 会社


データベースが主体になってきますが、管理をする上で細かい作業や修正を行った後に、データウェアハウスで分析を行うことで蓄積されたデータを後から仕分けしたり分類する必要はありません。

クラウドで管理する時代になったからこそ、データ分析を効率的に行うことで業務効率化に繋がるのです。


おすすめのDWHシステム3選

セキュリティエンジニア


おすすめのDWHシステムを紹介します。

数十万TPSの速度で処理できるのでリアルタイムで処理結果を見ることが可能で約30種類のマーケティングツールと連携できるのも人気の一つになっています。


b→dash

クラウド型のDWHシステムで、大手企業が導入していることでも有名です。

データの取得、統合、分析まで幅広く対応しており導入支援や運用支援までマーケティングが初めてな方でも使いやすいのが特徴です。


Amazon Redshift

DWHの利用に特化したクラウド型のデータベースです。

ノードの台数、ディスクの種類をいくつか選択できるので、高速でデータ処理を行うことができます。

数万者の企業が使用しており、データ収集から分析までRA3インスタンスを使用することでクラウド型で最も高速でデータ処理を行えるのが特徴です。


AnalyticMart

標準でも使用できますが、オプションにより多種多様なツールが使用できます。

目的のデータを高速で検索できる機能がついています。

多次元データの分析、グラフ表示までExcelで素早く行えますし、システムのログを管理する機能も付いているのが特徴です。


DWHシステムの種類

アジャイルソフトウェア開発のコンセプト


DWHシステムにはアプライアンス型とクラウド型の2種類あります。

導入している企業によって変わりますが、セキュリティーが高いのはアプライアンス型でしょう。

専用機器を設置しなければいけませんがストレージやアプリケーションの管理を一括で行うことができるので安全性が高いのです。

インターネットを使ってサービスを提供しているので専用機器がありません。

簡単に短期間に導入できるのはメリットでもありますが、必要な機能のみしか使えないため、利便性に欠けてしまいます。

最初はクラウド型でも問題がなければ、経費削減に使ってみるのも良いでしょう。


DWHシステムの機能をチェックしておく

ソフトウェアエンジニア


DWHシステムを導入する際には、画面の操作、データの処理速度、容量の拡張性など様々検討する必要があります。

データの連携も重要になってきますので確認していきましょう。


画面の操作性を確認する

DWHは初心者でもわかりやすく簡単に操作できるシステムでなければいけませんので導入する前に体験できるものもありますのでインターフェイスの操作性を確かめてみるのが良いです。


データ処理能力の速度を確認する

DWHで最も肝心なのはデータ処理能力の速度です。

データベースの処理速度では限界があり、データ分析をより高速に行うためにデータ処理の速度を確認しておきましょう。

また実際に処理速度をサンプルなどで確認してから製品を選ぶのが良いです。


容量の拡張性を確認する

DWHで保存されるデータは導入後も増加し続けるため、容量を予め多めに確保しておく必要があります。

容量の拡張については製品によって大きく異なりますが、3ステップ程度で拡張できるものとシステムの改修が必要になるものがありますので注意しておきましょう。

また、クラウド型ではプランを変える、容量を増やすために課金するなどを行うことができるDWHシステムもあります。


BIツールとのデータ連携ができるか確認する

DWHはBIツールと連携させて使うシステムですので、データを提供するだけではなく、ほかのデータと組み合わせて使用することでDWHの能力が発揮されるのです。

BIツールのシステムと多種多様なシステムを連携できるかも確認しておきましょう。

既存のシステムのほかにも、今後導入を検討する際にも相性の良いDWHシステムを選ぶための基準と考えておきましょう。


データウェアハウスは顧客管理に必須である

オフィスで働くプログラマー


CRMには多くの顧客情報が必要とされる中で、特にデータ処理に時間がかかるので、より密接な関係を築くことに特化しています。

特に購買情報をDWHでデータ処理することで、過去の履歴や商品の購入時に効果的なCRMを実現することができます。


航空券の予約システムにはDWHが必須である


航空会社では、最も重要なのは飛行機を安全に飛ばすことはもちろんのことですが、DWHのシステムを使って空席を減らすことです。

航空券は空席があればあるほど売り上げに損失が出てしまうので、航空券の予約に関しては常に予約したけどキャンセルされたり、当日乗客が無連絡で来ないこともあるので、常に飛行機の座席が満席であるわけではありません。

航空券の予約にはこのような不確定な要素があるため、DWHシステムの導入は必須なのです。

顧客の過去の明細を確認することでキャンセルの傾向やどのフライトにたくさん乗るかなど分析を行うことができるため、より高精度な予測ができるのでDWHは今や航空会社の必須アイテムなのです。


大規模ECサイトにはデータ分析に必須である

仕事上のチーム


大手企業では、DWHの導入が必須となっているのです。なぜなら購買者、出品者共に購入履歴や出品履歴の分析を行うことで収益やサーバー管理などに非常に役に立つのです。

たくさんの顧客からの情報をまとめることで今後の行動が予測されやすくなり、どんな商品が効果的に売れるのかが大規模ECサイトの鍵となっていくのです。

また不正行為の監視やセキュリティが守られるのでDWHを活用する企業が増えてきています。データ管理が個別で行うあれコストも抑えられるし、分析の効率も上がるというメリットがあります。


データウェアシステムを利用して業務効率化を目指そう

考える男性


データウェアハウスは社内の多種多様なデータを集約しデータを分析し整理する倉庫みたいなものですが、今の時代クラウドでなんでも保存できる時代にデータの管理は容易ではありません。

セキュリティの対策やデータの分析に多く時間がかかるためです。

また人件費などもかかることも考えるとデータウェアハウスを導入する際に費用はかかっても今後の業務効率化を考えれば検討してみて越したことはないでしょう。

データウェアハウスを活用することで、顧客一人一人を分析することで今後の動向を探り、経営する上で不可欠なツールなのは間違いありません。