まだ新しい業界であるIT

インフラエンジニア


IT業界は、まだまだ新しい業界です。

急激に成長している業界ではありますが、まだまだ歴史は浅く伸びしろだらけの業界です。

新しい業界ということもあり、極端に年齢の高い人が少ないという特徴を持っています。

今回注目するのは「50代」のITエンジニアという比較的高年齢層のエンジニアたちです。


50代のITエンジニア

パソコンの画面を見る男性たち


実は、IT業界に50代のITエンジニアは多くはいません。

先ほどお伝えした通り、まだ新しい業界という特徴ゆえ年齢層の高い人が少ないという傾向があります。


ITは古くからある産業ではない

50代ももれなくその傾向に当てはまり、人数は少ない年齢層でした。

IT業界はまだまだ新しい業界。

そのため、昔からITエンジニアとして働いていた人が少なく、50代のエンジニアが少ないという現状があります。


50代のエンジニアが増えつつある

しかし、近年は50代のITエンジニアが増加しています。

一体なぜなのでしょう。

今回の記事で、50代ITエンジニアを取り巻く現実や実態について解説いたします。

50代でIT未経験の方や、フリーランスとして活躍できるのかというポイントについてもチェックしていきましょう。


50代ITエンジニアの現実

IT業界には、古くから「35歳定年説」だとか「35歳限界説」というワードが存在しています。

これは文字通り、ITエンジニアは35歳が限界であるという考え方。

確かにずっとパソコンと睨めっこしていたり、非常に短いスパンで新しい技術や考え方が当たり前のように出てくるIT業界は、若い方の柔軟性が必要とされるシーンも多いです。

長時間拘束されて座りっぱなしということも多く、体力も必要となってくる業界ではあります。

しかし、近年でこの35歳定年説はすっかり崩れてきました。

常に人材不足に悩まされているIT業界に、35歳で定年などといっている余裕はありません

そして、たとえ35歳以上、40代や50代の方であっても、高いモチベーションさえあれば十分に仕事をこなせるからです。



50代のITエンジニアはIT革命を経験している

最新技術を見せるビジネスマン


そもそも、50代のITエンジニアの方で古くからIT業界に身を置いている方たちは、まさにIT革命といえる時期を過ごしてきています。

MS-DOSやVisual-Cなどの時代を知っていて、経験も知識も豊富にある人材といえるでしょう。

確かに常に移り変わるIT業界のトレンドや波に置いていかれないように着いていかなければなりません。

しかし、その気力さえあれば年齢を問わず誰でも活躍できるのが「IT業界」です。


増え続ける50代のITエンジニア

会社 会議 契約 仕事 


50代のITエンジニアは着実に増え続けています。

現在IT業界には、全体のおよそ2割を50代エンジニアの方が占めていますが、これが2030年にはおよそ3割まで増加するという予測データが発表されています。

2010年頃は1割程度しかいなかったことを考えると、本当に続々と50代のITエンジニアが増えていることを実感できます。

現在もまさに増え続けている現状の真っ只中であるといえるでしょう。

では一体なぜ50代のITエンジニアが増えているのでしょうか。


なぜ、50代のITエンジニアが増えているのか

想像を膨らませる男性

 

50代のITエンジニアが増えているのは、やはりIT業界の人材不足という要因が大きな理由の1つになっています。

IT業界は、常に人手が足りていません

そのさまは売り手市場といわれるまでのもので、エンジニア側が仕事や就職先を好きに選べるほど、求人数と就職者数が乖離しているといえるでしょう。

そのため技術や経験、本人のモチベーションさえあれば、たとえ50代の方であろうとITエンジニアとして活躍できる可能性があります。


50代のITエンジニアの年収に注目

年収 男性 報酬 お金 アップ


それでは、続々と増えつつある50代のITエンジニアの年収をチェックしてみましょう。

今回はITエンジニアの中でもポピュラーな「システムエンジニア」の年収から掘り下げていきます。


システムエンジニアの年収のピークは50代である

さて、システムエンジニア全体の平均年収はおよそ550万円とされています。

なかなか高額な年収ですが、50代はこれ以上の平均年収を得ているようです。

50〜54歳はおよそ660万円、55〜59歳の場合はおよそ654万円という平均年収を得ています。

他の年齢層と比較してみても50代の平均年収は明らかに高額です。

例えば、30〜40代は400〜600万円台前半

つまり、システムエンジニアとして平均年収は50代前半が最も高く、年収のピークといいうことです。


全体の50代平均年収とほぼ同額

収入


続いては、業種や業界を問わない50代全体の平均年収と先ほどのシステムエンジニアの平均年収を比較してみましょう。

50代全体ではおよそ640万円強で、50〜54歳の平均年収はおよそ650万円弱、55〜59歳ではおよそ600万円弱とされています。

50代前半のシステムエンジニアの平均年収が660万円でしたので、約10万円ほど高額な年収を得ていることが分かるデータです。

そして、50代後半の場合は50万円以上高額な年収ということも分かります。

つまり、50代のITエンジニアは他の業種で働いている50代の方たちよりも平均より高額な年収を得ているということです。


フリーランスエンジニアの場合

さて、ITエンジニアはフリーランスとして働いている方も多くいらっしゃいます。

50代のフリーランスエンジニアの方の平均年収というのは明らかではありませんが、最も多いのが300〜500万円ほどの範囲内のようです。

平均よりは劣るものの、フリーランスとして自分の好きなペースで案件などをこなしたり、自分の好きな時間の使い方ができるということを考えれば、十分といえるかもしれません。


50代ITエンジニアで活躍するために求められるスキルや経験

自分たちのオフィスで働く男性


増え続けている50代のITエンジニア。

人数が増えるということは、ライバルも多いということです。

では、50代のITエンジニアが活躍して業界で輝くためには、どのようなスキル・経験が必要なのでしょうか。


マネジメント能力や管理能力が問われる

そのために重要になってくるのが「マネージャ」経験です。

IT業界では、30代後半からマネジメント能力やプロジェクトの管理スキル、経験を求められるようになります。

40代・50代も同様で、プロジェクトマネージャなどプロジェクト全体を指揮する立場での活躍を期待されます。

エンジニアとして下流工程でプログラミングなど自分が手を動かすのでありません。

上流工程で、プロジェクトチーム・メンバーたちを動かし、引っ張っていくような存在が求められています。


下流工程もOK

とはいえ、下流工程で働いている50代ITエンジニアがゼロというわけではありません

深い知識や経験を活かして、IT業界の最新技術に遅れを取っていない方など、現役でプログラマーとして活躍されているエンジニアもいます。

あくまで上流工程に携わる方が多い傾向にあるというだけであって、決して下流工程の仕事ができないというわけではありません。


50代ITエンジニアの転職事情

仕事上のチーム


ここからは、50代のITエンジニアが業界で活躍するために重要な要素などを「転職」と「フリーランス」それぞれの観点から解説いたします。

まずは転職からチェックしていきましょう。

50代のエンジニアの方でも転職したり、現場で活躍することは可能です。

それはやはり深刻な人手不足に陥っているIT業界だからこそで、たとえ50代であっても積極的に採用する動きがあります。

そして、一般的に50代というと会社でキャリアを築き、安定したポストや高い収入を得ている方が多いです。

そうであるにも関わらず、あえて転職の道を選択する方の気力や積極性を評価する会社もいます。

そのため、たとえ50代だったとしても十分に転職は可能です。

求められるスキルなどは「活躍するために必要なスキルや経験」と同様なため、自己分析をしておく必要があるでしょう。

ITエンジニアとして自己分析を行う際には、スキルシートの作成がおすすめです。

転職や、フリーランスとして案件を獲得する際に必要であることはもちろんですが、スキルシートの作成によって自身の経験やスキルを振り返り、棚卸することにもつながります。

スキルシートの書き方やポイント、注意点については以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ併せてご参照ください。

エンジニアのスキルシートの書き方を徹底解説!案件を獲得するための書き方のポイントと注意点【ダウンロード可能なExcelテンプレート付き】


50代のフリーランスITエンジニア

両手でスマートフォンを操作する


さて、続いては「フリーランス」のITエンジニアという観点から掘り下げていきましょう。

とはいえ、求められるスキルなどは転職同様「活躍するために必要なスキルや経験」で解説した内容になります。

つまりマネジメントスキルやマネージャの経験、プロジェクト管理能力などが求められるということです。

ちなみに、フリーランスエンジニアにおける50代の割合は約38%といわれています。

若手が多い印象をお持ちかもしれませんが、50代でフリーランスエンジニアとして活躍されている方が大勢いるということです。

年齢を気にしてフリーランスになる勇気が持てないという方は、決して珍しい存在ではないということを頭に入れておきましょう。


キャリアとしてはITコンサルを目指す

タブレットを使う女性マネージャー


50代だけに当てはまることではありませんが、ITエンジニアとしてのキャリアの終着点は「ITコンサルタント」といえるでしょう。

全員ではありませんが、40代で800万円を超し、50代では900万円後半台という年収の高さなどからキャリアのゴールとする方も多くいらっしゃる業種です。

ITコンサルへ転職・キャリアアップをするためには、下流工程から上流工程まで様々なキャリアや経験を積んでいる必要があります。

その仕事柄、論理的思考や問題解決力、分析力なども求められるでしょう。

IT業界に対する深い知識や理解も必要です。

いずれITコンサルタントへ転職したいと考えている方は、これらを意識しながら普段の仕事に取り組むといいでしょう。


IT未経験の50代でも活躍できる

計画を立てることがグループワークにおいて重要なことである


これまでは、既にITエンジニアとして働かれている50代の方に関連した事柄を解説してきました。

では、IT業界未経験の50代でもエンジニアとして働き活躍することができるのでしょうか。

結論からいえば、可能です。

決して楽な道のりではありませんが、不可能ではありません。


とにかく人手不足に悩まされるIT業界

この記事中でも触れている通り、IT業界は深刻な人手不足に常に悩まされています。

もちろん若手を採用したいという気持ちを持っている企業もありますが、とにかく人手が足りないため悠長なことをいっていられません。

そのため、たとえ50代でしかも未経験だったとしてもITエンジニアになれる可能性が眠っています。

ここからは、50代でIT未経験の方がITエンジニアになるために重要なことや必要とされるものを解説いたします。


未経験で50代のITエンジニアになるために

苦しむ女性


当然ですが、ITに関して未経験の方は本気で「勉強」することが必須となります。

最初はプログラミングなどについて学習するといいでしょう。

参考書や技術書も活用できます。

最近はオンライン上でプログラミングなどを実践学習できるWebサービスも豊富に用意されています。

また、40代〜50代の方を対象としているプログラミングスクールも存在しており、プログラミングを学習する環境はかなり整っています

あとは本人の気力次第です。


簡単な道のりではない

そして、もし仮に転職が成功した場合。

未経験の方の場合は若い人たちと一緒に下流工程で業務に携わらなければなりません。

そういった面で食らいついていけるかどうかも必要な要素となります。

軽い気持ちでは50代未経験の方がITエンジニアになることは非常に厳しい道のりです。

相当な努力や気力を持って臨む必要があるということを覚悟した上で挑戦しましょう。


50代ITエンジニアはこれからも増え続ける

ビジネスマンハンドワーキング


今回の記事では「50代のITエンジニア」に注目してきました。

50代のITエンジニアの方はプロジェクトマネージャなどの管理職として上流工程で活躍されている方が多いです。

そのため、やはり「マネジメントスキル」や「プロジェクト管理能力」が問われます。

それらを意識しながら仕事に取り組むことで、自分のITエンジニアとして素晴らしいキャリアを積み上げていくことができるでしょう。


フリーランスへ飛び込む勇気

また、50代のフリーランスのエンジニアが全体で約38%もの割合を占めていることを紹介しました。

年齢を理由に躊躇う必要はありません

50代であったとしても、フリーランスエンジニアとして活躍されている方が大勢いらっしゃるのです。

モチベーションをお持ちの方は、躊躇わずに独立・フリーランスへ転身してください。

決しておかしなことではありません。

これからフリーランスエンジニアを目指す方に向けて、フリーランスエンジニアになるための手続きや求められるスキル、案件を獲得する方法などについて以下の記事で詳しくご紹介しています。

ぜひ、こちらの記事も併せてご参照ください。

ITフリーランスエンジニアになるには? フリーランスエンジニアになるための流れと、活躍するためのポイントを解説

年齢は関係ない

ITエンジニアおよびIT業界は、活躍できる年齢が決まっているわけではありません。

役職や業種が多岐にわたるため、それぞれの立場で様々な年齢層の方たちが活躍できます

50代の方はもちろん、そうでない方も、自分の持っているスキルや能力を最大限に活かし、ITエンジニアとして更なる活躍を目指していきましょう。