SIer系のエンジニアとしてのキャリアを形成していく中で、今の自分に満足できていないことに気づく瞬間があります。
もっと様々な仕事を請け負いたい。スキルアップをして収入を増やしたい。
フリーランスとして独立し、自分自身のスキルを活かして成果を得る。こうした働き方はキャリアの選択肢の一つとして大変魅力的です。
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近年のIT業界における「働き方」は多岐にわたり、フリーランスとして活躍するエンジニアも増えています。
フリーランスに転身して収入が以前より上がったというケースもよく聞く話です。
フリーランスとして活躍するために必要なものは何でしょうか。独立して稼げるようになるためにはどんなスキルが重要なのでしょうか。
本記事ではこうした疑問を解決するとともに、効率的なスキルアップの方法を紹介します。
フリーランスとして必要なスキルとは
フリーランスエンジニアとして活躍するために必要なスキルはどういったものなのでしょうか。
会社員として働くことで身についたスキルを活かせる場面も多々ありますが、それとは別のスキルも必要になります。
フリーランスエンジニアに求められるスキルは次の4項目です。
- 技術力
- 業務知識
- マネジメント力
- コミュニケーションスキル
技術力
現場での開発に必要な技術者としての能力は必須です。
これは会社員・フリーランスの隔てなく全てのエンジニアが持っていなければなりません。
フリーランスエンジニアは、自分の技術力に応じた仕事に携わることになります。
より多くの技術や知識をもっていればそれだけ仕事の幅は広がり、能力を発揮する機会も増えるでしょう。
幅広い技術をもっているエンジニアには様々な案件を依頼しやすいため、次の仕事にも繋がっていきます。
業務知識
SIer系エンジニアとして仕事をしていくなかで要件定義や設計を行うのに重要なのが、その業務についての深い知識です。
こういった業務知識を持っていることでより重要な案件を請け負ったり、プロジェクトに参画しやすくなるメリットがあります。
マネジメント力
企業単位で一つの案件を請け負った場合は複数人でのプロジェクトとなります。
自社の社員や下請けの人とで作業を分業し、大きな流れの中の個々の工程を担当して業務を進めていきます。
フリーランスとして請け負った案件は、納品までの一連の業務を自分一人で行わなくてはなりません。
そのため、受注から納品までのタスク管理やスケジュールをしっかり組み立てられるだけのセルフマネジメント力が必要となります。
コミュニケーションスキル
最後にコミュニケーションスキルです。具体的には営業力や交渉力といったスキルが大切になります。
フリーランスが仕事を獲得するためには自分自身の市場価値をアピールし、クライアントからの信用を得る必要があるのです。
自分が持つ技術を正確に伝える営業力や、適正な条件で働く為の交渉力を身につけること。
これらにより多くの案件の獲得やクライアントと対等な関係を築き、円滑に業務を行うことにつながります。
今あるスキルを活かす
フリーランスは自分自身の技術力によって働き方の幅が大きく変わります。
より多くの技術やスキルを身につけていれば、それだけで幅広い活躍ができるようになります。
会社員エンジニアとして身につけたスキルも、フリーランスで活躍するために大いに役に立ちます。
SIerとしての経験があると市場価値は非常に高いといえるでしょう。
- 要求仕様からシステムを作る力
- スケジュール管理能力
- システムの設計・開発のための知識やスキル
- プロジェクトを円滑に進める為のコミュニケーション能力
普段の業務の中で培ってきたこれらの能力は会社という枠組みを外れても大いに役に立ち、即戦力として重宝されます。
フリーランスとして仕事をはじめる際、実績がなくともこれらのポイントをアピールできればクライアントの目に留まりやすくなります。
また次の案件の獲得にも繋がりやすくなります。
身につけるべきスキル
これまでの経験で身につけたスキルを活かすだけでは、今より上を目指せません。新たなスキルを身につける必要があります。
新しい技術
今までに触れる機会がなかった既存の技術、あるいは最新の技術を身につけるとよいでしょう。
働いている環境にもよりますが、SIerは一つの技術を一貫して使っていることが多いのです。
規模が大きなシステムを扱うケースがほとんどであり、技術の根幹を安易に変更できないことが理由です。
古い言語を継続的に使用しているなど、最新技術にふれる機会をもてないこともあります。
フリーランスの仕事は馴染みのある技術だけでこなせる案件ばかりではありません。
今まで触れたことのない未経験の技術や言語が必須となる案件もあるでしょう。
せっかく好条件の案件依頼がきても、技術不足で見送りになるのは避けたいものです。
新しい技術へのアンテナをしっかり張ることで、変化の多いIT業界の中でも柔軟に活躍することができるようになります。
プログラミング能力
もう一つはプログラミング能力です。プログラム関連業務についている場合は問題ないでしょう。
しかしSIer系に長く勤めていると、プロジェクトを牽引する立場から要件定義や設計・マネジメントを中心とした業務が多くなります。
そうすると実際の現場でプログラミングをする機会がほとんどなくなることも。
プログラミング能力はエンジニアとして基本にして必須の能力です。
一通り覚えている基本的な知識であっても、一度基礎に立ち戻って学びなおしてみることをおすすめします。
自分の能力の基盤がしっかりしたものになりますし、新しい発見もあるかもしれません。
フリーランスに資格は必要か
フリーランスで活躍するためには資格が必要かというと、必ずしもそうではありません。
資格を持たない未経験者でも仕事を獲得すること自体は可能です。
ですが、自分自身をアピールできるポイントが多ければ多いほど、活躍の機会が広がります。
クライアントが二枚の名刺を前にして、多くの資格を所持している者とそうでない者のどちらに案件を依頼するでしょうか。
前者の方がより選ばれやすくなることは想像に難くありません。
どんな資格があると良いか
SIerとしてのスキルを示すのであれば下記の資格があるとよいでしょう。
- CCENT
- Oracle認定JAVAプログラマ
- JavaSEProgrammer
- ORACLEMASTER
求められる水準以上のスキルを持っていることが証明できる、レベルが高い資格ばかりです。
資格を有していることでクライアントからの最初の信用が得られ、次回案件の獲得にも有利になります。
資格でスキルをアピールする
自らのスキルを目に見える形で証明できるのが、資格獲得のメリットといえるでしょう。
これらの資格をまだ取得していない場合は資格試験を検討してみることをおすすめします。
すでに取得しているなら、名刺を作る際に忘れずに記載しましょう。
スキル・資格を身につけるには
フリーランスとしてスキルアップするためには、これまで培ってきたスキルを活用するとともに新たなスキルの獲得・スキルを証明できる資格の獲得が大切です。
おのずと「勉強」が必要になりますが、日々の生活の中でまとまった時間を確保するのは至難の業です。
では、どのようにすれば効率よくスキルや資格が身につけられるのでしょうか。
勉強会やセミナーに参加する
エンジニア向けに多くの勉強会やセミナーが開催されています。
SNSのコミュニティーや技術者用のリソースを利用することで自分の熟練度や必要な技術に応じた勉強会やセミナーを簡単に見つけることができます。
書籍を読む
書籍の情報はネットの情報と比べても信頼性・信用性があります。
一冊に書かれている情報量も多いのでじっくりと自分のペースで勉強することができます。
セミナーや勉強会と違い、隙間時間や移動時間を効率的に活かすことができますし、何度も読み返して理解を深めることができます。
学習サイトを活用する
インターネット等で手軽に必要な技術を勉強することができます。
ネット環境があることが前提ですが、こちらも書籍と同様に自分の時間で効率的に学ぶことが可能です。
幅広い言語に対応したサイトがありますので、いままで触れたことがない新しい言語を身につけたい時にも最適です。
実際に挑戦する
ある程度のスキルが身についている必要がありますが、自分のスキルより上のレベルの仕事に挑戦することもスキルアップに大いに役立ちます。
知識があることと、実際に技術として使うことはイコールではありません。
勉強してきた知識を実際の現場で生かして「スキル」にすることも「スキルアップ」です。
スキルアップが実感できるとモチベーションが上がります。
おすすめは勉強会やセミナーへの参加
スキルを身につける方法はさまざまです。自分に合った勉強法を見つけて実践していくことが一番でしょう。
この中で特におすすめなのが勉強会やセミナーへ参加することです。エンジニアとしての人脈を広げることができるからです。
勉強会やセミナーには種類があります。
未経験者向けのものから上級者向けのもの、専門に特化したものや分野の違う人同士の交流を目的とした集まりなど様々です。
これらに参加するメリットは、知識と人脈を同時に得られる点です。
知識面でのメリット
同じ集まりに参加した他のエンジニアと交流を深めることで、異なる分野の知識を得ることができます。
勉強会・セミナーで教わる知識はもちろん、実際の現場での経験や知識を教わることができるのです。
対人面でのメリット
人脈が広がることでクライアントへの紹介をしてもらえたり、自分の持つスキルが必要になる案件を斡旋してもらえたり、新しい仕事を得ることにも繋がります。
フリーランスとして活躍していくには、こういった人脈は大きな財産となります。今後の活動の基盤を整える意味でも重要です。
フリーランスとして収入をアップさせるには
スキルアップから収入アップにつなげるためにはどうしたらよいのでしょうか。
自分自身の市場価値を高める
自分自身の市場価値を高めることが最重要です。
多くのスキルを身につけてそれを仕事でうまく活用し、クライアントからの確かな信用を得る。
こうして実績を積み上げていくことで市場価値を高めていくことができるのです。
高めた価値を武器に営業力で自分を売り込み、よりよい条件で契約を得るための交渉力を発揮する。
得てきたスキルのすべては、フリーランスとしての活躍のために惜しみなく活かすことができます。
フリーランスでの収入をアップさせるためには、エンジニアとしてのスキルだけでなくコミュニケーションのスキルを高めていくことも大切です。
幅広くスキルを持つことで活躍できる
フリーランスとして自分の力を活かすために、特出したスキルが必要になるというわけではありません。
もちろん得意分野があれば強みになりますが、大切なのは自分の持つスキルを複合的に使っていくことです。
クライアントのニーズに応える幅広い技術力や自分を売り込む営業力、そして適正な条件で仕事を得るための交渉力。
これらの能力を高い水準で備えていることは、フリーランスとしての活動の大きな力になるでしょう。
まとめ
フリーランスとして必要なスキルを獲得し、活用するのは簡単なことではありません。
しかし常に意識しておくことで成長のチャンスを逃さずキャッチできます。
- 今までのエンジニア経験の中で培ってきた技術を最大限活かすこと。
- 触れてこなかった新しい技術に目を向け、積極的に学んでいくこと。
- 自分に何ができるかをしっかりとアピールすること。
- 学びとともに人脈を広げ、案件の獲得のために自ら動いていくこと。
- 絶えずスキルアップしていく向上心をもつこと。
これらを意識するだけで大きく成長できるでしょう。
エンジニアとして得た経験はそのまま自分の成長の糧となります。
多くの案件に触れることで様々な技術が身につくので、受注が増えればそれだけスキルアップできるのです。
スキルアップをすることで評価アップ、そして収入アップへと結びついていきます。
フリーランスとしての経験を積極的に積み上げてスキルアップし、価値あるエンジニアになりましょう。