フリーランススタートの特徴や評判を徹底解説!エンジニア向け案件の傾向や報酬相場は?登録エージェント数やサービス内容も確認
フリーランスへ転向する場合、まず直面する困難は「仕事の受注」です。しかし最初は契約できるクライアントを探すのもなかなか大変なもの。
そんな時に便利なのが、案件を仲介してくれるエージェントサイトや案件検索ができる検索エンジンです。
今回はその中でも「フリーランススタート」というサイトについて、特徴や評判を解説していきます。
フリーランススタートとは?
フリーランススタートは、各エージェント会社が保有・公開しているフリーランス向け案件を一括検索できるサイトです。
フリーランスのエンジニアになったとして、もともとクライアントとコネクションがないという方も多いはず。そんな時に案件探しのツールとして利用されています。
フリーランススタートの特徴
このサイトは、2019年にサービスをスタートした比較的新しい案件検索エンジンサイトです。
エージェントを横断したフリーランス向け案件の検索が可能です。
ただまだリリースされて日が浅いため、使い勝手やニーズにどの程度応えてくれるのか、その評判は様々。まずはサイトの特徴を見ていきましょう。
10万件を超える案件数
フリーランススタートは現在日本で展開されている案件検索エンジンとしては最大級のものです。2019年12月9日時点で109,802件の案件を検索することができます。
また毎月3000件以上の案件が新たに追加され、エージェントサイトに登録せずにこれだけの案件を吟味できるのは大きな利点といえます。
実際に仕事を受注する場合はエージェントサイトへ登録します。そうすることで会社が保有する全案件の中から案件を探したり、紹介されたりします。
ただしエージェントサイトへの登録は職務経歴やスキルなど入力するものも多く、手間がかかります。また登録後、自分に合う案件が無いということも。
フリーランススタートはそういった面倒なしに案件を探すことができます。
50件のエージェントサイトの中から自分にあったものを探せる
フリーランスの仕事はまず案件を受注するところから始まります。その受注のプロセスとしては大きく2通り。
1つ目はフリーランススタートのような案件検索エンジンサイトから案件を直接探す方法。この場合は多くの案件を吟味する必要があります。
2つ目は案件を保有しているエージェントサイトに登録して、紹介してもらう方法です。この場合はエージェントが仲介してくれるので比較的楽です。
特に2つ目のエージェントサイトへの登録は、転職経験や転職エージェントを利用したことがある方にとってはある程度勝手がわかり、ハードルが低いでしょう。
また転職エージェント同様に、フリーランスをターゲットとしたエージェントサイトには得意とする分野や職種・言語があります。
ただし、実際フリーランスとして活躍している人の中にはなかなか自分に合ったエージェントに出会えない人や、複数併用しているという人も。
一方フリーランススタートは参画している50件ものエージェント会社の中から、自分の条件に合ったエージェントを探すことができます。
また探す際はエージェントに関する口コミを確認できますし、さらに複数のエージェントに一括で登録できるので登録の手間を大幅に省くことが可能です。
言語/勤務地/職種/業界/単価での検索が可能
フリーランススタートの大きな特徴は膨大な案件のカバー力です。利用者は10万件を超える案件の中からフィルタリングによって案件を探していきます。
フィルタリングは単価・最寄駅・都道府県・言語・稼働日数・職種・業界・特徴・エージェントがあり、これらを組み合わせて検索します。
言語/職種での相場がわかる
スキルや職種ごとの相場がわかるのもこのサイトならでは。実際フリーランスとして働くなかで、自分のスキルの相場以下の案件に出会うこともあります。
フリーランススタートでは今自分が検索している「スキル」や「職種」における報酬の相場が表示されます。
最高単価や最低単価・平均単価という相場観は経験がないと得られないもの。案件の相場を知ったうえで案件を吟味できるのは、このサイトの大きな利点です。
フリーランスのニーズについて
フリーランススタートを評価するうえで重要になるのが、フリーランスのニーズをしっかり汲めているのか、役立つサイトといえるのかという点です。
まずはフリーランスのニーズ、特にフリーランスになりたての方のニーズをみていきましょう。
案件探し
フリーランスに転向しても、はじめのうちはなかなか自分の希望に合致する案件を見つけられないこともあるでしょう。
自分自身のスキルが客観的にどのくらいの報酬が望めるのか、勤務地、どの工程から参画するのか、責任の範疇など確認すべきポイントはキリがありません。
だからといって適当に選ぶと、割りに合わなかったり痛い思いをすることも。時間はかかりますが手を抜けない工程です。
エージェント探し
フリーランスに転向したての方にとって、エージェントサイトの特徴を把握するのはなかなか骨が折れるもの。ところが基本的には複数登録するのが一般的です。
一方、エージェントサイトへの登録は経歴やスキル・業績の入力など手間がかかります。
また複数のエージェントを兼用する場合、登録のための時間も多くなります。
時間的コストの面からもエージェントの登録や管理の手間はなるべく省きたいところです。
キャリア形成
長期的に自分自身のフリーランスとしてのキャリアを考えた時、スキルアップと実績獲得は無視できません。つまり、できる仕事を増やして増収することです。
使用可能な言語を増やせばそれだけ仕事のチャンスが増え、自分自身の市場価値も高まります。
スキルは勉強・訓練することで身につきますが、実績は実際に案件をこなす必要があり、実務経験のない案件への応募はなかなか成就しないもの。
また未経験でも挑戦できる案件の中には、俗にいうブラックなものもあります。ところが未経験なので基準がわからずブラックと疑わずに契約してしまうことも。
未経験でも始められて、就労条件等が整っているものを探すことは、キャリア形成において難関といえるでしょう。
フリーランススタートの評判について
フリーランスになりたてのエンジニアを取り巻く状況や長期的にみたときの課題は前述の通りです。このニーズにフリーランススタートは応えているのか。
この点を軸にそのメリットとデメリットを紹介していきます。
【評判①】膨大な案件と自分にあったフィルタリング
まず1つ目のフリーランススタートの特徴は10万件を超える案件力と言語や職種などのフィルタリングです。
膨大な案件力とフィルタリングがどのようにフリーランスのニーズに応えているのか。この点に焦点を絞って解説していきます。
自分のスキルにあった検索と相場がわかる
このサイトは自分自身のスキルはもちろん、経験職種を元にマッチ率の高い案件を抽出することが可能。また市場での相場と比較しつつ案件を探せます。
これによって案件内容や報酬面でのミスマッチが起こりにくい仕組みとなっています。
東京だけでなく全国の案件もある
東京や首都圏・大都市近郊は比較的案件が潤沢にある傾向です。一方、地方のフリーランスエンジニアの場合は地理的要因で案件の幅が狭くなることも。
また仲介してくれるエージェント会社の多くは首都圏に集中。そのため、地方の案件を引っ張りにくい背景があります。
ところがフリーランススタートの場合、様々なエージェントサイトを横断的に検索することができ、地方の案件も比較的浮上しやすくなっています。
エージェントごとの特色を網羅できる
エージェント各社は保有する案件を常に増やしていますが、どうしても案件に偏りが生じます。会社の規模や支社の有無・コネクトなど要因は様々。
例えばJavaなどメジャーどころの言語であれば各社それなりの案件数は保有しています。ところがマイナーな言語や案件はいわば掘り出し物。
大手にはなくて小規模なエージェントが持っていることもあります。またこの点はキャリア形成にも関わってきます。
その点、フリーランススタートでは50社のエージェントをまたいで検索できます。そして掘り出し物に当たる可能性は、地道に探すより格段に上がります。
【評判②】エージェントを探せる
フリーランスエンジニアにとって「エージェント探し」は重要ですが、自分にマッチした信頼できるエージェントを見つけるのはかなりの手間がかかります。
ところがこのサイトにはエージェント探しのページがあり、口コミをもとに気に入ったエージェントを選んで一括登録することができます。
エージェントに複数登録する手間が省ける
エージェントは複数登録することが一般的です。駆け出しのフリーランスの方であれば10や20以上登録していることも。
ただし登録自体は時間がかかるもの。その点フリーランススタートの場合は気に入ったエージェントを選んで一括登録ができるので、手間が大きく省けます。
「案件を探す手間が惜しいけど、仕事はしっかり選びたい」
そんな方はまずエージェント選びから始めてみてはいかがでしょうか。
複数のエージェントに登録する理由
登録しているエージェントを増やすほど紹介される案件数が増え、未経験でも挑戦可能な案件も見つけられる可能性があります。
また複数登録する別のメリットもあります。それは案件を紹介してもらえる窓口が増えること、そしてエージェント同士で競争が始まることです。
エージェントの競争が起こることで、より厳選した案件を紹介してくれる可能性が上がります。ただしエージェントとのやり取りは増えるのは要注意です。
【評判③】マッチングまでの道のりが長い
フリーランススタートのメリットは、エージェントの枠組みを超えて膨大な案件を見ることができる、またエージェントも選べるところです。
一方、裏を返せば「マッチングまでの道のりが長い」ともいえます。この点に関して詳しくご紹介します。
案件数に比例して吟味する手間が増える
フリーランススタートには50社のエージェントが参画しています。
さらに各社毎月平均して合算3,000件の案件を追加し、案件数は1年足らずで10万件を超えました。
これほど膨大だとフィルタリングをしても、かなりの案件数を吟味する必要があります。また募集終了している案件もヒットしてしまうことも。
ただし、そのぶん今まで出会えなかった案件や掘り出し物に出会える可能性は格段に上がります。
キャリア形成を踏まえた案件探しが大変
フリーランスとして長期的な課題となる「案件の幅の拡大」と「キャリア形成」について、フリーランススタートはあまり有効とはいえません。
案件の幅を広げる際にはスキルと実績が必要となりますが、フリーランススタートはあくまで検索エンジンとして検索結果の案件を表示するのみです。
つまり自分で案件拡大やキャリア形成に向けて動くことが必要です。
どういうキャリア設計で仕事を進めていくのか、これを踏まえて案件を選択する。この難しさに真正面から直面します。
逆に「エージェントになかなかキャリア設計を理解してもらえない」「自分で探していきたい」という方にはぴったりです。
【評判④】保有案件に若干の傾向あり
フリーランススタートは50社のエージェントが公開している案件を、そのエージェントの枠組みを越えて見ることができます。ただしそれでも偏りがあります。
業界の状況に関係するものですが、その業界的な偏りをフリーランススタートが薄めてくれることはないです。この点に関して、以下で詳しく解説します。
Web系エンジニア案件に若干寄っている傾向あり
現状フリーランスを取り巻く状況として「Web系エンジニア」の案件が多い傾向があります。反面コンサルタント系の案件は比較的ボリュームが小さいです。
また案件数が少ないので、それだけ競争倍率もあります。コンサルタント系の案件を探したい場合はエージェントサイトや転職エージェントの方が期待できるでしょう。
非公開案件が閲覧できない
フリーランススタートではエージェントが保有する10万件以上の公開案件が閲覧可能ですが、非公開案件は見ることができません。
検索結果として表示される10万件以上の案件は全て公開案件であり、そのためエージェント経由の応募もあります。
つまり案件数は多いものの、目の前の案件への入り口はフリーランススタートだけでなくエージェントサイトからもあるということ。
客観的に示せる実績、案件を吟味する時間が必要です。むしろ駆け出しのフリーランスの方よりも2〜3年のキャリアがある方は使いこなせるでしょう。
フリーランススタートの評価:使いこなすには経験が必要な案件検索の大型エンジン
フリーランススタートの評価をまとめてみると、以下のようになります。
- エージェントの枠組みを越えて案件を検索できる検索エンジン
- 案件の選択肢が増えて、地方の案件もカバーできる
- 選択肢の幅が広がる分、マッチングまでの手間がかかる
- エージェントが公開している案件しか確認できない
これらの評価から、フリーランススタートはフリーランス経験と実績がある方にとっては非常に便利なツールといえます。
このサイトの最大の難点はマッチングであり、この点を打開するにはスキルと実績が必要です。これらがあればマッチングもスムーズに進みます。
一方、これからフリーランスへ転向する・転向したての方は武器が少ないため、クライアントとのマッチングも時間がかかります。
また長期的なキャリア形成の観点では、エージェントに依頼する方が効率的といえます。したがって、検索エンジンとして割り切れば非常にいいツールです。
まとめ
フリーランススタートは、フリーランスエンジニアとして実績がある方にとっては、膨大な案件をエージェントの枠組みを越えてみることができるツールとなります。
一方経験が浅い、これから転向するという方にとって、このサイト単体で使っていくのは少々ハードルが高いといえます。
例えばエージェントの提案した案件を探してみて、相場を調べてみるのもいいでしょう。検索エンジンとしてエージェントと併用すれば頼もしいツールです。