フルスタックエンジニアとは、どのようなエンジニアのことを指すのでしょうか。

現在注目されているフルスタックエンジニアになる方法や年収について、詳しくご紹介していきます。


フルスタックエンジニアは職種ではない

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フルスタックエンジニアはマルチエンジニアとも呼ばれており、幅広いスキルと知識を持つエンジニアのことです。

このフルスタックエンジニアという職種は実際にあるわけではなく、敬称として使われています。

しかし、現在ではフルスタックエンジニアを求める企業も多くなり、新たな職種として認知されつつあるということです。

ITスキルに全般においてスペシャリストとして活躍できる人材のことを指し、万能ITエンジニアでもあります。


フルスタックエンジニアが求められる理由

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ITエンジニアの求人の中でもフルスタックエンジニアの表記が目立つようになってきています。

フルスタックエンジニア需要が高い理由について詳しく解説していきましょう。


生産性の高さ

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まずは生産性の高さが挙げられます。

今までは各専門スキルを持ったエンジニアを雇いチームでプロジェクトを進めていました。

しかし、全工程を行えるフルスタックエンジニアメンバーがすべて担当する方がスピード感のある仕事ができます

スピード感が求められるIT業界にとっては、スピード感を重視するためにフルスタックエンジニアが求められます。

また、企業にとっては人件費の削減に繋がり、無駄な人材を雇うリスクも減るというメリットもあるといえるでしょう。


スタートアップ企業の増加

会議


資金の少ないスタートアップ企業にとっては、1人の人材を雇うことにとても慎重になってしまいがち。

1つの専門スキルを持つ人材を何人も雇うよりも、フルスタックエンジニアを数人雇う方が扱いやすいともいえます。

とくにスタートアップ企業では少数精鋭である場合が多いので、フルスタックエンジニアにならざるをえないことも理由にあります。

また、日本でもスタートアップ企業が増えているため、どの分野にもある程度精通しているエンジニアが求められているのです。

こうした国内の需要の高まりから、フルスタックエンジニアが新しい職種として認知し始めていると考えられます。


働き方への価値観の変化

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ITエンジニアには先進的な思考を持つ人が多いため、柔軟な働き方を求める人が多くなったことも考えられるでしょう。

フルスタックエンジニアになることは選択肢や働き方を増やすことに繋がるため、自らスキルを身に付ける人が続出。

その傾向に伴い、企業側もフルスタックエンジニアを求めるようになったという背景も考えられるともいえます。

1人のITエンジニアを雇うなら、フルスタックエンジニアの方が扱いやすいと思われるのは当然のことでしょう。


ITスキルの一般常識化

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これからはITスキルが一般常識化され、ITスキルも学びやすく価格も以前より安定してきています。

ITスキルが一般常識化されることに伴い、危機感を感じているITエンジニアがフルスタックエンジニアになる傾向も。

ITエンジニアが自らの価値を高めるために、他のスキルを習得しフルスタックエンジニアになっていくことが予想されるでしょう。

これからのIT業界を生き残っていくためにスキルを身に付けていけば、おのずとフルスタック人材になるのかもしれません。


需要の増加傾向

需要の増加


ITエンジニア不足により、海外からも広くエンジニアを受け入れるような風潮になってきました。

それに伴い、海外のエンジニアを安く雇用できるようになったのも背景にあるといえるでしょう。

ITエンジニアとしてより高い市場価値を保っていくためには、2つの道しかないといわれています。

それが高度な専門分野を持ったITエンジニアになるかフルスタックエンジニアになるかの2択です。

そこで専門分野を持たないITエンジニアがフルスタックエンジニアを目指すようになってきています。


フルスタックエンジニアの強み

CTO 代表 会社 役員


フルスタックエンジニアにはどのような強みがあるのでしょうか。フルスタックエンジニアの強みをご紹介します。


どこでも必要とされる人材になれる

握手するビジネスマン


フルスタックエンジニアの強みには、どこでも必要とされる人材になれることが挙げられるでしょう。

IT業界にはトレンドの移り変わりがあります。

フルスタックエンジニアであればトレンドの移り変わりに合わせて柔軟にスキルを磨くことができるでしょう。

幅広くITエンジニアとして知識とスキルがあることは、これからの時代の武器であるといえます。


フリーランスや独立が可能



フルスタックエンジニアであることは、すべての業務を自分だけで完結させることが可能です。

そのため、独立することやフリーランスとして活躍する道も選択することができるでしょう。

フリーランスとなれば、ITエンジニアの幅広い案件から選ぶことができます。

仕事に困らないことや自身の都合で仕事が選べるメリットがあるといえるでしょう。

実力主義のこれからの時代にぴったりの働き方ですね。


フルスタックエンジニアの年収

仕事 収入


フルスタックエンジニアは敬称であり、曖昧なものなので具体的な平均年収を出すことは難しいと言えます。

ITエンジニアの平均年収が500万円程度といわれています。

そのため、フルスタックエンジニアであれば平均よりやや高めに設定されるでしょう。

フルスタックエンジニア年収では450万円~1000万円の幅があると考えられます。

より現実味のある年収を割り出すために、エンジニア求人サイトを参考にしてみましょう。

すると、フルスタックエンジニアを求めている企業は350万円~850万円を提示していることが多いようです。

この中にはフルスタックエンジニアを目指している人も含められるので、高収入を目指せることがわかります。


フルスタックエンジニアになるには

目標


それでは、フルスタックエンジニアになるためにはどうしたらいいのでしょうか。


専門分野を持つ

女性 フリーランスエンジニア


フルスタックエンジニアでもある程度の専門分野を持っていなければなりません

フルスタックエンジニアといってもすべてのITスキルが普通では通用しないのです。

自分の専門分野を持っておくことで、より市場価値の高い人材として活躍することができるでしょう。

専門分野を複数持っていることで、価値はさらに上がります。とはいえ闇雲に専門を広げるのは得策ではありません。

IT業界のトレンドを読み、市場価値の高い分野を極めておくことが必要になるでしょう。


視野を広く持つ

会議


IT業界やITエンジニアには何が求められているのかは、広い視野を持つことが必要になります。

仕事でも視野を広く持っておくことでチーム全体の生産性アップさせることができるでしょう。

フルスタックエンジニアとしてスキルがあったとしても、役に立たなければ意味がありません。

躓いているところを見抜きサポートすることも求められるため、どの分野でもサポートできることが強みでもあります。

そのため、フルスタックエンジニアはマネジメントポジションとしても重宝される人材になれるのです。


常にスキルアップを目指す

ステップアップ


フルスタックエンジニアはどの分野においてもスキルアップし続けることが必要になります。

スキルが低い分野があってはフルスタックエンジニアとしての信頼を欠いてしまうことになるでしょう。

そのため、常にスキルアップや強化が必要になります。

IT業界の動向の変化にも対応しながら、求められるスキルを身に付けることがフルスタックエンジニアには求められるでしょう。


フルスタックエンジニアに求められるスキル

システムエンジニア


フルスタックエンジニアにはどのようなスキルが求めらえるのでしょう。詳しく解説していきます。


プログラミング言語のスキル

マシンコード言語


フルスタックエンジニアはプログラミングができて当たり前

だからこそ、プログラミング言語のスキルは必須といえます。

そして、フルスタックエンジニアを名乗るのであれば、より幅広くプログラミング言語を習得しておく必要があります。

ITエンジニアとしてプログラミング言語を使用していなかったのであれば、プログラミング言語を習得する必要があるでしょう。


OS・ミドルウェアのスキル

会社の進化


フルスタックエンジニアはフロントエンドの仕事ばかりではありません。

インフラエンジニアやバックエンドエンジニアのスキルも求められることになるでしょう。

そのため、OSやミドルウェアに関しての知識やスキルも重要視されています。


クラウドサービス開発のスキル

プログラミングコンセプト


クラウドサービスは大手企業からベンチャー企業まで当たり前に使われるようになっています。

クラウドサービスはコストが安く速度が速いというメリットがあるため、普及が早くなったと考えられます。

そのため、クラウドサービスへの知識やスキルは必須となるでしょう。

クラウドサービスにはいくつか種類がありますが、シェアトップのAmazon Web Services(AWS)は押さえておくべきです。


フルスタックエンジニアに独学におすすめの本

勉強するくまさん


フルスタックエンジニアに独学でなるためにおすすめの本をご紹介します。

まずは技術書ですが、それぞれのスキルの基本が押さえられる本がおすすめです。

「JavaScript本格入門(山田祥寛著)」や「たのしいRuby(高橋 征義・後藤 裕蔵著)」。

「プロになるためのWeb技術入門(小森裕介著)」などが挙げられます。

また、これからの働き方についての本を読んでおくことで、フルスタックエンジニアの必要性が理解できるでしょう。

「10年後の仕事図鑑(堀江貴文著)」や「あたらしい働き方(本田直之著)」がおすすめです。

スキルの本だけではなく、働き方に関しても深く理解しておくことが必要になります。


フルスタックエンジニアが増加している理由

考える男性


フルスタックエンジニアは増加傾向です。

フルスタックエンジニアが急増している理由には、トレンドの変化が挙げられるでしょう。

IT業界のトレンドは常に変化し続けています。IT業界が盛り上がった初期のスキルだけではもう通用しません。

そして、その通用しないスキルを専門としていた人がフルスタックエンジニアとして復活してきています。

もともとIT業界初期の人材にポテンシャルの高い人材が多かったため、優秀なフルスタックエンジニアになれたという流れです。

また、これからの時代はフルスタックエンジニアじゃないと生き残れなくなることもまことしやかに囁かれています。


フルスタックエンジニアの注意点

最強の男


フルスタックエンジニアには注意するべきことがあるのでチェックしておきましょう。


業務の負担が大きい

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フルスタックエンジニアで注意するべきことは、業務の負担が大きいことです。

フルスタックエンジニアを企業が求めている場合、圧倒的な人材不足であるケースがほとんとでしょう。

そのため、フルスタックエンジニアに業務が集中することになり、良いように使われてしまうことになります。

フルスタックエンジニアが求められる理由を知っておくことは、自分の身を守ることにも繋がるでしょう。

いいように使われるのではなく、しっかりと価値を認めてくれる案件を探すことを大切にしてください。


市場価値の変化

調べる男性


これからのIT業界は、ITスキルが高度で専門的な人材であるほど必要とされる傾向にあります。

一般的なスキルだけのフルスタックエンジニアの需要はありますが、市場価値は低くなっていくでしょう。

フルスタックエンジニアでもどのスキルを強化しているかで価値は変化していくことになるはず。

そのため、フルスタックエンジニアでいることはIT業界のトレンドに敏感であることが求められます。


フルスタックエンジニアの将来性

フリーランス協会


これからフルスタックエンジニアの市場価値は上がり続けるでしょう。

しかし、フルスタックエンジニアであれば安泰ではないことも理解しておくべきです。

ITスキルの一般常識化により、ITエンジニアの立ち位置も変わるでしょう。

ITエンジニアであることは、フルスタックエンジニアか専門分野のエンジニアであることと位置付けられます。

フルスタックエンジニアであることは自由な選択が可能になることにも繋がるでしょう。

フリーランスとしても万能に活動したり、女性にとって働きやすいなどのメリットもあります。

これからは自分が有利になるための武器を多く持っておくべき

つまり、1つの職種にこだわらずに、複数の職種をマスターしておくことこそ武器となるでしょう。

これからの時代を生き残っていくためにフルスタックエンジニアを目指すべきかもしれません。

ITエンジニア未経験者も、これからはフルスタックエンジニアを視野に入れておきましょう。