Microsoft Azureの良い評判を耳にしてもよく理解できないという方も少なくないのではないでしょうか。

今回はMicrosoft Azureとは何なのか、その基本をわかりやすく解説していきます。

低コストが叶えられる料金制度や無料版のサービス内容もご紹介していきますのでMicrosoft Azureの導入を検討する参考にしてみてはいかがでしょうか。


Microsoft Azureとは?


まずはMicrosoft Azureとは一体何なのか、Microsoft Azureの基本について確認していきます。

Microsoft Azureがどのようなサービスなのか理解することで具体的な導入を冷静に考えることができるでしょう。


Microsoftが提供するクラウドサービス

Microsoft Azureはその名の通りMicrosoftが提供するサービスです。

2008年に「Windows Azure」という名前で提供が開始され、2014年にMicrosoft Azureに改名されました。

Azureは「青」や「空」を表すフランス語で、雲を意味する「クラウド」が青空に浮かぶ様子が連想できます。

Microsoft Azureが提供するのはクラウドサービスです。

主にアプリケーションをインターネット上でホスティングしてくれます。

Azureには世界中のデータベースがあり壮大なスケールのクラウドデータの中から瞬時にデータを分析できることが大きな魅力といえるでしょう。


IaaSとPaaSを提供

Microsoft AzureではIaaS(イァース)とPaaS(パース)と呼ばれる2つのサービスが提供されています。

IaaSは「Infrastructure as a Service」の略で、仮想サーバーやファイヤーウォールなどのインターネットの土台となるシステムをクラウド上で使えるようにするサービスです。

一方PaaSは「Platform as a Service」の略で、アプリケーションの構築サポートをWeb上でできるサービスとなっています。

これを利用することで独自のアプリケーションを作ることが容易となるのです。

その他SaaS(サース)というパソコンのアプリケーションをダウンロードせずにインターネット上で使えるサービスもありますが、SaaSはMicrosoft Azureでは提供されておらず利用できませんので注意しましょう。


Microsoft Azureのサービスでできること



Microsoft Azureの基本をおさえたところで次は具体的に何ができるのかをみていきましょう。

Microsoft Azureでできることはたくさんありますがここでは使いやすいおすすめのサービスを厳選してご紹介します。

Microsoft Azureについてさらに詳しくなることで効果的に利用していきましょう。


DevOpsでアプリケーションを管理

DevOpsでは同僚達と情報を共有しながらアプリケーションを管理できるサービスです。

アプリケーションの計画を行いスマートコーディングで開発、そしてインターネット上で配信します。

その後はアプリケーションを分析しながらクラウド上で効果的に運用するためのサポートまでしてくれるのです。


Azure AIで機械学習モデルを構築

AIとネットワークのイメージ


人間の行動を模倣するAIを使った機械学習機能もMicrosoft Azureの特徴です。

数十年に渡る研究開発により機械学習モデルを素早く簡単に構築することができるようになっています。

Microsoft Azureにはオープンソースコミットメントがあり、フレームワークやツールは好きなタイプを使うことができるため利用者は効率よく機械学習モデルを構築できるのです。


Azure Functionsでアプリケーションの開発を簡単に

開発中と表示されたスマートフォン画面

Azure Functionsではサーバーを構築することなくアプリケーションを開発できます。

使用できる言語はC#、JavaやPythonなど幅広く、手持ちのパソコンからのアプリケーションの開発が容易です。

またアプリケーションをどのタイミングで実行するかを設定することもできます。

実行するとメモリ容量が自動で最大1,536MBまで拡張可能です。


Microsoft Azureを使うメリット

できることがたくさんあるMicrosoft Azureですが、実際に使用するとどんなメリットがあるのでしょうか。

多くのユーザーに選ばれる理由をチェックしていきましょう。


生産性を向上できる


クラウドには壮大なスケールの情報が詰め込まれています。

Microsoft Azureはその圧倒的な情報を元にアプリケーションを開発し、管理できるため効率的な作業が実現するのです。

世界中に存在するデータセンターは随時アップデートされているため最先端のソフトウェアを使った最新のやり方で作業することもできます。


柔軟に拡張できる

Microsoft Azureは幅広い言語やフレームワークに対応しているため柔軟に拡張できます。

またオンプレミスやクラウド、エッジの全てに対応しているのでシーンに合わせた使い方でアプリケーションの管理も可能です。


セキュリティー対策が万全

key

世界中にデータベースのネットワークが存在するMicrosoft Azureは強いセキュリティーに保護されています。

サイバーセキュリティ対策が全世界から行われるため驚異をすぐに発見し、早期に対応することが可能です。


AWSやGCPとの違い

メリットの多いMicrosoft AzureですがよくAWS(Amazon Web Service)やGoogleのGCP(Google Cloud Platform)と比較されます。

サービス面ではMicrosoft Azureは好みのオープンソースOSや言語、ツールが使えることが大きな違いです。

Oracleなどにも対応しているので他のサービスからの移行が非常にスムーズとなります。

料金面に関しては料金をAWSと合わせることを公表しているため他のサービスと大きな違いはないといえるでしょう。


Microsoft Azureの効果的な利用方法



Microsoft AzureではLinuxおよびWindowsの仮想マシンを迅速に作成することができます。

CPUは最大416個、最大370 万のローカルストレージが使用可能です。

その他、DevOpsを使ってビジネス分析をしたり独自のアプリケーションを作ったりと使い方は多岐に渡ります。

Microsoft Azureを効果的に使うと生産性が大きく向上するでしょう。


Microsoft Azure活用事例3選

上手に活用することで大きく生産性アップを実現できるMicrosoft Azureですが、実際にはどのように使われているのでしょうか?

ここではMicrosoft Azureの成功事例を3つご紹介します。


ASOSの事例

Young businesswoman putting forwards an idea at a meeting with colleagues sketching it on paperwork watched with interest


世界中で愛されるファッションブランドASOS(エイソス)は通販サイトをメインとして業界をリードしてきた存在です。

しかしその反面、サイバー攻撃の脅威からは逃れることができませんでした。

そんな中、ASOSはいち早くMicrosoft Azureを導入することですぐに脅威を見つけだし、それに対応できるようになったのです。

ワンクリックでセキュリティーデータを打ち込めるMicrosoft Azureのおかげで問題を解決する時間が以前の半分にまで短縮され、顧客の信頼を見事に獲得しています。


Peace Park Foundationの事例

南アフリカではMicrosoft Azureは絶滅の危機にあるサイを助ける活動にも応用されています。

今まで密猟者などによる狩猟が行われていた地域にMicrosoft AzureのAIを使ったシステムを導入することで、密猟者が見つけやすくなりました。

現在でも野生動物に関する膨大なデータを処理し、積極的に活動しています。

コンピューティングシステムなしでは数千キロに渡る広大な大地で絶滅危惧種の保護をサポートすることは難しかったことでしょう。


立命館大学の事例

ドキュメントの共有・提供


立命館大学では他の学校と同様、事務を紙ベースで行っているため処理時間がかかるのが悩みでした。

そこでMicrosoft Azureを取り入れ、事務作業をクラウド上で行うことにしたのです。

Microsoft Azureはサーバーを必要としないため運用しやすく、新しいアプリケーションの開発も簡単なため独自のアプリケーションを使って事務処理のスピードを30%アップさせることに成功しています。


Microsoft Azureの料金制度

それでは世界中で活用されるMicrosoft Azureの料金制度を把握しておきましょう。

Microsoft Azureではサービスを使用した分だけ支払う従量課金制になっています。

クラウドの使用量はいつでも確認できるようになっているので安心です。

仮想マシンを使う場合は運用している時間だけ料金がかかる仕組みとなっています。

仮想マシンをアイドル状態にしておけばその時間の費用が削減できるのです。

Windows Server と SQL ServerのワークロードをAzureの仮想マシンに移行する場合、最もリーズナブルに利用できるでしょう。

その理由は無料で3年間のセキュリティー更新プログラムが受けられるからです。

これがMicrosoft AzureがAWSの5分の1のコストで済む理由にもなっています。


Microsoft Azureの無料版サービス

キーボード パソコン


Microsoft Azureには無料版のサービスがあります。

ここではMicrosoft Azure無料版のサービス内容をチェックしていきましょう。


25以上のサービスが12ヵ月間使える

Microsoft Azureでは無料で25以上のサービスが12ヵ月間使えます。

無料アカウントで使える人気のサービスは以下の通りです。

  • Virtual Machines
  • Managed Disks
  • Azure SQU Database
  • Azure DevOps
  • Bandwidth

主要なサービスが無料で使えるためMicrosoft Azureの利用を検討している方には満足できる内容といえるでしょう。


さらに22,500円のクレジットが使える

無料版では22,500円分のクレジットも付いてきます。

好きな有料サービスの利用に自由に使うことができ、残量はアップグレード後も1年間は使えるのでお得です。


無料期間が終了したら

青い螺旋階段は、将来を示唆しています


無料期間が終了しても自動でアップデートされることはないので安心していいといえるでしょう。

無料期間が終わるとMicrosoftから通知が届き、そこでアップグレードするかどうか判断します。

しかしアップグレードしない場合は無料版で利用したサービスが全て使えなくなるので注意しましょう。


Microsoft Azureの申し込み方



Microsoft Azure無料版の申し込みには本人確認のために電話番号とクレジットカードの入力が必要になります。

登録したクレジットカードは1度しか使えないため具体的にやりたいことを考えてから申し込むようにしましょう。

申し込みのステップは以下のとおりです。

  1. Microsoftのアカウントを準備
  2. 「無料で始める」ボタンをクリック
  3. Microsoft Azureのアカウントにログイン

Microsoftのアカウントがある場合はそのアカウントを使い、ない場合はその場で新規登録します。

次に「無料で始める」ボタンをクリックし、指示にしたがってMicrosoft Azureのアカウントを作成するのですがここで電話認証とクレジットカードの登録が必要です。

登録が完了したらMicrosoft Azureの専用サイトにサインインして利用を開始します。

まずはセットアップガイドを使ってセットアップを完了してみましょう。

無料登録で無料のサービスを受けるだけならクレジットカードから料金が引き落とされることはありません。

興味がある方は登録してみてはいかがでしょうか。


総括



Microsoft Azureで実現できることは計り知れません。

アプリケーションを簡単に開発でき、ビジネスや個人で応用できるためこの機会にMicrosoft Azureを取り入れて生産性のアップにつなげてみてはいかがでしょうか。

Microsoftが長年の研究を駆使して作り上げたクラウドコンピューティングサービスは世界中にネットワークがあり信頼性も十分です。

あらゆるサービスと連携できて他社と比べてコストを削減できることも強みとなるでしょう。

まずはMicrosoft Azure無料版でその良さを実感してみることをおすすめします。