MySQL Workbenchとは

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データベース管理システムのMySQLが公式発表している便利ツール・MySQL Workbench

これを上手に活用することで、データベースの作成から開発まで一元管理できます。

SQLはオープンソース方式を採用していることから、誰でも改変できるのが特徴です。

このような性質からアップデートを繰り返し、ついに「MySQL Workbench」が誕生しました。

MySQL Workbenchの使い方や導入はどのような手順で行えば良いのでしょうか。

また、日本語化する際に不具合が生じた際の解決策や対処法などを解説しています。


「MySQL Workbench」の使用方法

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まずは、MySQL Workbenchで何ができるのでしょうか。

加えて、具体的な使い方や活用方法などについて解説していきます。


MySQL Workbenchで何ができる?

MySQL Workbenchでできることは次の3つが挙げられます。

  • ER図を活用したデータベース設計
  • SQLの実行
  • MySQLデータベースの管理

それでは、さらに詳しくみていきましょう。


ER図を活用したデータベース設計

ER図は、実体間の関係性を図式して示したものです。

SQLデータベースにおいて、各項目の関係性を見出すことはシステム設計上重要です。

SQLを活用したシステム設計を行うにあたり、ER図との相性は良いといえます。

各データベースをテーブルと捉えた時、テーブル間の関係性を図式することは必至です。

MySQL Workbench でER図を作成できるので、ユーザーの求めるデータを的確に抽出することができます。

ちなみにMySQL Workbenchでは、作成済みのデータベースから逆にER図を作成することが可能です。

つまり、新規に作成したMySQLデータベースでも既存のものでもER図を作成することができます。


SQLの実行

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MySQL開発では、データベースの作成は必須です。

データベースには様々なデータが保管されています。

これらを的確に抽出するには、正しくクエリを作成して実行する必要があります。

そのためには、キーを設定したり正規化の手順を踏んだりしなければなりません。

これに加えて正しくSQLを記述することも大切です。

しかし、SQLの記述ミスや漏れが発生して正常に読み込まれないこともあります。

そこで、SQLを実行するための便利ツールがMySQL Workbenchです。

データベースの開発にあたり、記述ミスを防ぐことは作業効率を上げることに繋がります。

MySQLのクエリの作成だけでなく、プラットフォーム上で実行させることも可能です。

さらに、SQLの正規化に伴い、直感的な操作が可能でデータベースを最適化させることが容易にできます。

ちなみに、MySQL Workbenchのエディタに搭載されている機能は以下のものが挙げられます。

  • 自動補完やカラーハイライト表示
  • ステートメントの再利用
  • オブジェクトブラウザ
  • 実行履歴の表示

柔軟な操作が可能です。


MySQLデータベースの管理

MySQL Workbenchの特徴といえば、データベースの設計から開発までを一元管理することができることです。

しかし、具体的に何をどのようにして管理するのかが分からないという人もいるのではないでしょうか。

実は、MySQL Workbenchはダッシュボード上でデータベースを直感的に見ることができます。

データベースが可視化されているため、MySQLの管理がしやすいということです。

具体的には、データベースのパフォーマンスやビジュアルをダッシュボードで確認することが可能。

そのため、各データベースのパフォーマンスを一目で分析することができます。

このようにMySQL Workbenchは操作性に優れていることから、SQL開発者からデータベース管理者まで活用されています。


Macへインストールする方法

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MySQL Workbenchをインストールする前に、インストーラをMacでダウンロードする必要があります。

下記に手順に沿って、MySQL Workbenchのインストーラをダウンロード・インストールしていきましょう。


MySQL Workbench のダウンロードの手順は?

まずは、MySQL Workbenchの公式サイトにアクセスしましょう。

「ダウンロードはこちら」を選択すると、タイトル画面「Download MySQL Workbench」に遷移します。

そして、ページの中心あたりにダウンローダがありますので、そちらを選んでください。

いくつか種類がありますが、用途に応じたダウンローダを選択しましょう。

それぞれ互換性が異なります。

OSのバージョンやスペックに応じたものを選んでください。

ちなみに、他のダウンローダと比べて大きな枠があります。

「MySQL Installer 5.7」は、総合インストーラでMySQLのサーバーなどがすべて含まれているオールインパック。

また、installer版とzip Archive版のどちらかを選ぶことができます。

コンピュータの環境に合わせたインストーラをダウンロードしてください。

「Download」ボタンを選択すると、ダウンロード画面に遷移します。

遷移後、表示された画面ではOracleアカウントでログインするかどうかを求めてきます。

しかし、ログインしなくても次に進むことは可能です。

ログインせずに次に進む場合は、「No thanks, just start my download.」を選択しましょう。

すると、ダウンロードが始まります。

ダウンロードが完了すれば、次はインストールとセットアップです。次で詳しく解説していきましょう。


MySQL Workbench のインストールの手順

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MySQL Workbenchのダウンロードは成功したら、インストールの手順についてみていきましょう。

  1. インストーラを選択して実行します。
  2. セットアップウィザードに沿って処理を進めます。
  3. 「Next」を選択します。
  4. インストール先のフォルダを選択します。
  5. インストール対象を選択します。
  6. インストールを実行します。
  7. インストールを終了します。

ダウンロードされたMySQL Workbenchの拡張子は「.msi」です。

正常にダウンロードされていることを確認したら、選択してアプリケーションを開きましょう。

セットアップウィザードが立ち上がります。

英語で表記されているため難しいかもしれませんが、ここでは「Next」を選択。

次に表示されたセットアップウィザードでは、インストール先のフォルダを指定します。

ここはデフォルトのままで問題ありませんので、そのまま「Next」を選択して次に進んでください。

そして、次のステップでインストール対象を選択します。

MySQL Workbenchと関連するファイルをすべてインストールするのか、一部なのかを選ぶことです。

関連ファイルをすべてインストールする場合は「Complete」を選択。

一部をインストールする場合は「Custom」を選択してください。

どちらかを選んで「Next」ボタンを選択しましょう。

内容があまり分からなかったり、インストール対象を気にしないのであれば「Complete」を選択することを推奨します。

次に「Install」を選択して進めてください。

すると、インストールの完了画面が表示されますので、右下の「Finish」を選択しましょう。

これでインストールは完了です。


Windows版のインストール方法

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MySQL WorkbenchはWindowsLinuxにも対応しています。

Windows版をインストールする場合、「Select Operating System」から「Microsoft Windows」を選びましょう。

大まかな手順はMac版と同じです。公式サイトからインストーラとファイルをダウンロードしましょう。

また、「My SQL Installer for Windows」のような名前のパッケージがある可能性があります。

これはMy SQL Serverなど、My SQL関連全てを網羅した総合インストーラです。

MySQL Workbenchのみを導入したい場合は注意してください。

「Other Downloads」の欄にあるインストーラをダウンロードしましょう。

64bit版と32bit版で分かれていることもあります。

使っているコンピュータの環境に合わせてください。


Linux版のインストール方法

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LinuxもダウンロードまではMac・Windows版と同じです。

Linux用のMy SQL  WorkbenchはUbuntu用と、Red Hat EnterpriseまたはOracle用があります。

どのOSを使っているかで適切なものを選びましょう。

Mac版と同じくダウンロードするとユーザー登録を勧められることもありますが、しなくても導入可能です。

次に端末画面を開き、rpmパッケージをインストールしてください。


インストールしても起動しない場合

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MySQL Workbenchをインストールして、早速起動しても何も起こらないという場合があります。

これはWindows版でMySQL Workbench 8を使おうとしたときに起こる可能性があるようです。

起動しないのは、必要なライブラリがWindowsにインストールされていないからです。

MySQL Workbench 8を起動させるには以下の2点が必要になります。

  • .NET Framework 4.5
  • Visual C++ Redistributable for Visual Studio 2019

通常は最初から搭載されているはずです。

しかし、Windowsを購入した時期によっては違うバージョンがインストールされていることがあります。

どちらもMicrosoftの公式サイトからダウンロードできるので、必ずインストールしておきましょう。


便利な使い方

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このツールで何ができるのか、どのような機能を備えているのかは先に解説した通りです。

また使用するためには、あらかじめソフトをセットアップする必要があります。

インストールやダウンロードのやり方については、前述した内容を参考にしてください。

次に、MySQL Workbenchの使い方についてみていきましょう。

次の4つの手順があります。

  • MySQLサーバーへ接続する
  • スキーマを追加する
  • テーブルを追加する
  • データの追加と参照

それでは、詳しくみていきましょう。


MySQLサーバーへ接続する

MySQL Workbenchのダッシュボードを開くと、データベースの接続設定についての表示が出ます。

正常にインストールが完了していれば、ダッシュボードの左上にサーバーへの接続状況が表示されている筈です。

ちなみに、設定を変更したい場合はそのままクリックします。

すると設定変更のダイアログが表示されますので、パスワードを入力後「OK」ボタンを選択してください。

エディタが表示されますので、そのなかでSQLを編集することができます。


スキーマを追加する

MySQLサーバーに接続してエディタを表示させたら、スキーマを追加しましょう。

スキーマの追加はエディタ上で行えます。

エディタの左上にあるデータベース型のアイコンを選択してください。

そして表示された「スキーマ作成タブ」でデータ入力後、「Apply」を選択して記述したSQL文を表示させましょう。

問題が無ければ、もう1回「Apply」を選択します。

すると、次の画面で右下に「Finish」と表示されますので、そのまま選択してください。

左下のブロックを確認すると、スキーマが追加されているはずです。


テーブルを追加する

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SQLデータベースを作成するためには、テーブルを追加しなければなりません。

MySQL Workbenchのエディタ上で先程スキーマを追加しました。

その追加したスキーマの左側を見ると三角の矢印マークがあります。

その矢印のマークを選択すると、メニューが開きますので「Table」を選択してください。

するとサブメニューが開くので、続いて「Oracle Table」を選択しましょう。

次に、テーブルの作成タブが開きますので、各項目にデータを入力後、「Apply」を選択してください。

記述したSQL文が画面に表示されますので、もう1回「Apply」を選択します。

これで、何も問題なければテーブルが追加される筈です。


データの追加と参照

ここでいうデータとはレコードのことを指します。

そもそもレコードとは、正規化を構成する1つ1つの項目のことです。

つまり、データはレコードの集まりともいえます。

SQL上でデータを追加したい場合もあるでしょう。

そのようなときは、MySQL Workbenchで作成したテーブル上で右クリック。

表示されたメニューから「Select Rows」を選択してください。

データ(レコード)を編集することができます。

表示されたタブにはSQL文を入力できる仕様となっています。

直接入力することが可能です。自由に編集してみてください。

MySQL Workbenchの使い方はそこまで難しくありません。

手順に沿って正しく扱えるようにしていきましょう。


日本語化する手順

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デフォルトのMySQL Workbenchは英語で表記されています。

日本語にしたいと思う人もいるのではないでしょうか。

実際、MySQL Workbenchのメニューは日本語で表記させることができます。

ここでは、日本語化する手順について解説していきます。


OSS_Ja_JPの公式サイトにアクセスする

まずは、OSS_Ja_JPの公式サイトのページにアクセスしてください。

表示されたページの1番上が最新のファイルですので、選択してダウンロードしましょう。

自動的に処理が進みますので、そのまましばらく待ちます。


ダウンロードファイルを解凍する

前述した方法でダウンロードしたファイルは圧縮されたままです。

そのため、解凍する必要があります。

出てきたファイルを解凍しましょう。

usrフォルダが出てきたら解凍完了です。


main_menu.xmlファイルを開く

usrファイルが出てきたら、次に「main_menu.xml」を探しましょう。

MySQL Workbenchの中にある「main_menu.xml」に置き換えれば日本語化ができます。

しかしながら、データベースに接続してエディタ画面を開こうとするとエラーとなって強制終了。

そのため2つの「main_menu.xml」を見比べながら、手動で書き換えを行うしかありません。


書き換えを行う

2つのファイルを見比べてみましょう。

  • <value type=”string” key=”caption”>(項目名)</value>

上記のcaptionを書き換えるか追加すれば良いことが分かります。

実際にファイルを見て見比べてみてください。

MySQL Workbenchの中にある「main_menu.xml」に、usrファイルから辿った「main_menu.xml」を書き写します。

保険として、書き換え前のファイルは別にとっておきましょう

書き換えが完了したら上書き保存してください。そして再起動すれば、メニューが日本語になっています。


文字化けしてしまった場合の対処法

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MySQL Workbenchを使っていたら文字化けしてしまった、というのもよく起こる事態です。

これは少し古いバージョンで、テーブル名やデータを日本語で入力すると起こってしまいます。

当時はこのようなものの名前に日本語は使わないのが常識でした。

対応していない言語を入力してしまったがために文字化けしてしまうのです。

文字化けしてしまった場合、以下の手順で直すことができます。

  1. メニューバーから「Edit」を選択
  2. Preferencesを選ぶ
  3. Appearanceを選択
  4. FontsのConfigure Fonts For:を「Japanese」に設定する
  5. MySQL Workbenchを再起動

これで文字化けを直すことが可能です。

最近はUnicode化が進んでいるため、最新版では文字化けしないようになっていますので安心してください。


まとめ

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最後に、ミスなくSQLを記述するためには記述後の確認は怠ってはいけません。

MySQL WorkbenchはMySQLデータベースを効率よく管理できますが、正しい使い方をする必要があります。

本記事では、具体的な使い方や日本語化する方法などについて解説してきました。

これからMySQL Workbenchを活用してきたい人などは是非参考にしてみてください。