プロダクトデザイナーの年収や仕事内容を徹底解説!求められるスキルとおすすめの資格とは?目指し方や活躍の場についても紹介
創造する仕事、プロダクトデザイナー
現代社会では常に新たな製品が販売・リリースされています。
業界を巻き込み、斬新なデザインや目を引く奇抜なデザイン、誰もが親しみを感じるデザインなどを引っ下げ、競争が行われているのは誰の目から見ても明らかでしょう。
今回の記事では、そんなモノをうるためには無視できない重要な要素の1つである「デザイン」を考える職業に注目していきます。
「プロダクトデザイナー」と呼ばれる彼らは、具体的にはどのような仕事をこなしているのでしょうか。
そんなプロダクトデザイナーに必要なスキルや、所持しておきたい資格まで解説いたします。
年収などについてもチェックしていきましょう。
また「プロダクトデザイナー」と「インダストリアルデザイナー」の違いについても解説いたします。
プロダクトデザイナーはモノのデザインを考える仕事
早速、仕事の内容に注目してみましょう。
プロダクトデザイナーの仕事は、ありとあらゆる製品(モノ)のデザインを考える仕事です。
デザインするものは多岐に渡る
文房具や食器といった身近な生活用品から、自動車や飛行機といった規模の大きい製品まで、幅広いもののデザインを考えます。
もちろんスマートフォンやパソコンといった電子機器もデザイン対象の中に含まれており、実は生活に密着している仕事であるといえるでしょう。
家具やインテリア、様々なパッケージなどもプロダクトデザイナーが手がけるものなので、知らぬ間に彼らがデザインしたものに囲まれて生活しています。
市場調査なども仕事の1つ
プロダクトデザイナーは、仕事が発注されたら直後にいきなりデザインに取り掛かるわけではありません。
まずはデザインのコンセプトを決めるため、市場調査や情報収集を行うことになります。
類似している商品があればその商品を分析したり、どこが市場にウケているのかなどを考慮するといった流れです。
それらを行い、コンセプトを定めてはじめてデザインをラフスケッチなどに起こしていくという流れになります。
その後デザインが完成したら、工場の技術者などと協議を行うというケースも多いです。
見た目だけではない
プロダクトデザイナーの主な仕事は「デザインを考えること」というのは変わりありません。
しかし、製品のデザインを考える上で「見た目だけ」に力を入れて作ればいいというわけではないといえます。
もちろん手がける製品にもよりますが、安全性や利便性、使いやすいデザインを考案しなければ、どれほど見た目が良くても市場に受け入れられることはないでしょう。
自分たちが手がけた製品が親しまれ、市場に受け大ヒットするためには見た目だけではなく様々な要素を考慮に入れてデザインすることが重要になってきます。
インダストリアルデザイナーという仕事
プロダクトデザイナーは様々な製品などのデザインを考慮する仕事です。
実は「インダストリアルデザイナー」と呼ばれるデザイナーもこのプロダクトデザイナーに含まれています。
インダストリアルデザイナーは自動車や家電など大量生産を前提とした工業製品のデザインを担当するプロダクトデザイナーです。
つまり、プロダクトデザイナーを細分化した中に含まれているデザイナーだといえるでしょう。
工業製品を担当するため、インダストリアルデザイナーは「工業デザイナー」と呼ばれることもあります。
機能面や見た目の美しさなどを両立させた製品デザインを実現しなければなりません。
プロダクトデザイナーの平均年収は約700万円
続いてはプロダクトデザイナーの年収をチェックします。
大抵の場合は製品のメーカーに勤務しているケースが多いですが、広告代理店に勤めている方や、外注を受けるデザイン事務所などに勤務されている方も多いです。
インハウスデザイナーの場合
まずメーカーに勤めているプロダクトデザイナー、いわゆる「インハウスデザイナー」の年収をチェックしてみましょう。
勤続年数などで当然差はありますが、全体の平均年収はおよそ700万円程度とされています。
自社にデザイン部門を構えているということは、ある程度名の知れた大手メーカーというケースも多いです。
そのため平均年収もやはり高額な傾向にあるようです。
ただし新入社員ではおよそ300万円弱ほどとされている反面、1,000万円を超えるデザイナーもいるようで、勤続年数や実績で大きな差が生じる仕事だといえるかもしれません。
デザイン事務所勤務のデザイナーの場合
外注を受けるデザイン事務所に勤めているデザイナーの方も多くいらっしゃいます。
こちらも勤続年数等で差がありますが、全体の平均年収はおよそ450万円です。
比較すると低く感じますが、デザイン事務所に勤めている場合はインハウスデザイナー以上に様々な種類の製品デザインに携わることができます。
プロダクトデザイナーとして経験を積むことができるほか、腕を磨くことにも繋がるでしょう。
実力や実績を積み上げていけば、インハウスデザイナー並みの年収を目指すことも決して不可能ではありません。
ただし、その分タフな現場が多いともいわれています。
フリーランスのパターン
そして、フリーランスとして働くプロダクトデザイナーの方もいらっしゃいます。
インハウスデザイナーやデザイン事務所勤務の方が、ある程度経験や実績を積んだら独立するケースが多いです。
こちらは案件の単価や持っているスキル、実績に大きく左右されますが、約500〜700万円程度が目安とされています。
当然実績があればあるほど年収は高くなりますから、1,000万円を超えることも十分に考えられるでしょう。
ある程度経験を積まれている方は、独立を視野に入れてみてもいいかもしれません。
プロダクトデザイナーに求められるスキルとは?
ではここからは、プロダクトデザイナーに求められるスキルという観点から掘り下げていきましょう。
一見すると仕事とは無関係に見えるようなものまで、幅広いスキルを求められる仕事が「プロダクトデザイナー」です。
- デザインに関する知識・技術
- コミュニケーション能力
- 芸術的なセンス
- アイデア
- CADを扱うこと
1つずつ解説いたします。
デザインに関する知識・技術
当たり前のことですが、プロダクトデザイナーはデザインに関して知識や技術を持っておかなければなりません。
芸術系の大学やデザイン系の専門学校で学ぶ必要があるといえるでしょう。
この知識というのは、人間工学といった専門分野も含まれます。
手や身体にフィットするようなデザイン設計ができれば「使いやすい製品」として大きくヒットする可能性が広がるでしょう。
クライアントからそういった製品デザインを求められるかもしれません。
そのため、人間工学など一見デザインとは関係がなさそうな分野の知識も必要となってくるといえます。
コミュニケーション能力
常にデザインばかりをしていそうなプロダクトデザイナーですが、実際にはコミュニケーション能力も必要です。
製品化にいたるまでに、工場の人や企画開発に携わる数多くの人とコミュニケーションを取りながら製品開発を進めていかなければなりません。
様々な要望を取り入れる必要も生じるでしょう。
デザインはもちろん、製品開発を円滑に進めていくためにもコミュニケーション能力はプロダクトデザイナーにとっても非常に重要です。
芸術的なセンス
プロダクトデザイナーとして製品のデザインを考案するにあたって、芸術的なセンスは当然必要になってきます。
センスは生まれ持った素質ともいえる部分がありますが、あとから努力して磨くことができるので普段から意識して生活する必要があります。
また、時代の流れや流行を踏まえてデザインに上手く落とし込むためにもセンスは重要です。
最新のトレンドや流行にも敏感でいなければなりません。
アイデアをストックする
そして、新たなデザインを考える仕事であるという以上アイデア力は必須能力です。
仕事とは一切関係ない時間、例えば買い物をしている時などにふとアイデアが閃いたらメモなどを取っておくことが大切です。
そういった地道な努力や心構えが、後の素晴らしい製品デザインに繋がる可能性もあるでしょう。
デザインやアイデアが閃いたらその場で急いでラフスケッチなどで書き留め、ストックしておくという意味でも大切です。
CADを扱うこと
プロダクトデザイナーは、デザインをするという性質上3DCGなどを作成するケースがあります。
特にCADソフトは日常的に接することになるソフトウェアです。
パソコンが苦手という方でも、CADソフトは不自由なく扱えるように適応する必要があります。
基本操作や基本知識を備えておけば、業務もスムーズに進められます。
プロダクトデザイナー向けの資格をチェック
さて、続いてはプロダクトデザイナー向けの「資格」を紹介します。
プロダクトデザイナーとして働く上で「必須の資格」という免許のようなものはありません。
そのため、誰でも「なれる」職業ではあります。
しかし、持っておくと自分のスキルを証明できる資格が幾つか存在していますので、それらに注目していきましょう。
プロダクトデザイン検定
「日本インダストリアルデザイナー協会(JIDA)」が主催しているプロダクトデザイン検定は、プロダクトデザイナーの専門性の高さを証明する資格です。
1級と2級が実施されており、前者が実務者向け、後者が基礎とされています。
プロダクトデザイナーとして働くうえでは1級の取得を目指してみるといいでしょう。
特に資格の有効期限等はないため、1度合格して取得できれば良い資格試験です。
CAD利用技術者試験制度
先ほどプロダクトデザイナーに必要なスキルとして紹介した「CAD」を扱う能力を実証できるのがこちらの「CAD利用技術者試験制度」になります。
CADに関連する知識や、図面の読図能力などが求められる試験です。
CADを用いた実務において必要な知識などが問われます。
2次元で5種類、3次元で3種類と試験が合計で8種類に分かれており、自分が証明したいスキルに応じて試験を選択して受験してみてもいいでしょう。
色彩検定
デザインにおいて、カラーリングなどは専門業の方と分業するパターンも考えられますが、スキルとして保持しておくに越したことはありません。
そういった意味で色彩検定は役立ちます。
配色技法や色の表し方など、カラーリングに関する自分のスキルや能力を証明可能な資格試験です。
目指すためには
プロダクトデザイナーになるためには、この記事でも触れた通りデザインに関する知識や技術が必要です。
そのため、大抵の場合は芸術系の大学やデザイン系の専門学校でそういった勉強をしている方が多いです。
「プロダクトデザイン学科」や「プロダクトデザイン」を専攻できる学校などもあるため、選択肢を絞ることもできるでしょう。
その後大手メーカーのデザイン部門、いわゆる「インハウスデザイナー」に就職するか、デザイン事務所などに就職するというパターンが王道といえるかもしれません。
フリーランスは上記のデザイナーが独立するケースが多く、いきなりフリーランスで働き始める方は少数でしょう。
プロダクトデザイナーの活躍の場
そんなプロダクトデザイナーですが、活躍の場は既に記事で紹介した場所が主なステージとなります。
大手メーカーのデザイン部門でインハウスデザイナーとして活躍するか、デザイン事務所でデザイナーとして活躍するというケースが大半です。
フリーランスとしても
プロダクトデザイナーの中には独立してフリーランスになる方もいれば、自らデザイン事務所を立ち上げる方もいらっしゃいます。
新たな活躍の場を自分で切り開いているともいえ、プロダクトデザイナーは人それぞれで様々な活躍の形・場が自分で作れる職業だと捉えられるかもしれません。
フリーランスの案件はクラウドソーシングサイトなどでも幅広く募集されています。
そのような案件に挑戦してみるのも1つの手です。
世の中に「新しい」を提供する仕事
この記事で注目してきたプロダクトデザイナーは、常にデザインを考案する仕事です。
世の中にまだリリースされていない新製品をデザインすることになるので、常に「新しいもの」、「新しいデザイン」を提供する夢のある仕事だといえます。
デザインしたものが、そのデザインのおかげで使いやすかったり、生活が便利になったり、癒しを与えることに繋がるかもしれません。
プロダクトデザイナーおよびインダストリアルデザイナーは、世の中の人々の生活やトレンド・流行を作り出せる可能性のある仕事です。
自信と責任を持って仕事に臨むことで、より良いデザインの製品を開発していけることでしょう。