ターミナルクライアントソフトとして、日本では、TeraTermが長く愛用されています。

しかし、一時的な開発の中止時期があったことやプロトコルのSSH2に対応していないことからグローバルとしてはPuTTYが選ばれる傾向です。

PuTTYとは一体何か、PuTTYの特徴やメリット、日本語対応の可否などについて解説します。

PuTTYとは



PuTTYとは、リモートログオンターミナルクライアントです。イギリスのSimon Tathamと彼のチームが開発しました。

PuTTYは、対応の通信プロトコルを介してリモートサーバーに接続します。対応の通信プロトコルは、SSH、Telnetとrloginが主です。

Windowsユーザーは、PuTTY以前にTeraTermを使っていた経緯からよく比較対象にあがります。


PuTTYの特徴



PuTTYの特徴は、対応OSがWindowsだけではないことです。MacやUNIXにも対応しています。

対応している通信プロトコル、SSH、Telnetやrloginが代表的です。

PuTTYのもう一つの特徴は、PuTTYを複数起動して複数の端末に同時に接続することができます。

また、接続するだけでなくセッション管理も可能です。

以前は日本語対応がありませんでしたが、現在は有志により日本語化されたPuTTYjpが日本語対応しています。


PuTTYのインストール手順



PuTTYをインストールする方法は、対応OSにより若干異なりますが流れはほぼ同じです。

代表的なWindows版でインストール方法を紹介していきます。


インストール準備

PuTTYダウンロードページへアクセスして、PuTTYのパッケージをダウンロードします。

ダウンロードページにアクセスしたら色々なPuTTYがありますが、「A Windows installer for everything except PuTTYtel」がメジャーです。

その理由は、PuTTYtelは、telnetとrloginしか対応しておらず、SSHは未対応になります。

最近のプロトコルは、SSHを使用するケースが多いため、SSH未対応のPuTTYtelは不要です。


インストール



ダウンロードが完了したら次はインストールをします。先ほどダウンロードしたファイルをクリックしてインストール画面へ移動します。

セットアップウィザードが、Windows版は表れるので「Next」を押して、次に進み、「Install」ボタンをクリックして完了です。

Installする際、ファイルを置く先は、好きな場所に置くことができます。多くは、デスクトップや専用フォルダを用意して保存しているケースです。


日本語版のインストール

PuTTYのオリジナルには、もともと日本語対応バージョンがありません。

有志が作った日本語バージョンがあるので、「PuTTY-xxx-ranvis」をダウンロードすることで日本語版の入手可能です。

xxxは、最新バージョンの数字が入ります。更新されるので都度、バージョンの数字が異なるので注意が必要です。

日本語対応バージョンは、Windowsのみのため、MacやUnixユーザーに関して日本語バージョン以外のダウンロードになります。

日本語対応バージョンのPuTTYを入手したら設定方法は、オリジナルと手順は同じです。


日本語設定方法



PuTTYの日本語設定方法は、PuTTYをダウンロードしてディレクトリに保存します。先述の通り、オリジナルのPuTTYには、日本語不対応です。

日本語設定するためのパッチであるranvisやごった煮版などをダウンロードします。

注意点は、必ず putty.exeと同じディレクトリに\ja-JP\putty.lngを保存することです。

他に必要なファイルがあれば、同じディレクトリに保存しなければなりません。


日本語版について

PuTTYの日本語版をダウンロードしようとした際、先述のranvisやごった煮版など色々あります。

基本的には、ranvisをダウンロードしてごった煮版は、パッチになりますので必要に応じてインストールしておくと便利です。


Mac版PuTTYインストール

PuTTYは、Windowsで利用されているため、Macでの利用は、マイナーです。

ただ、PuTTYは、Macにも対応しています。Mac OS X以降、PuTTYで利用できるようになりました。

Macのデフォルトパッケージの一部には、SSH接続端末が使用可能です。

ただ、PuTTYに接続することでもっと効果的にSSHクライアントを活用することができます。 

Mac版PuTTYのインストール方法は、他に、ターミナルを使ってダウンロード可能です。

ターミナルを使う場合は、Xcodeとhomebrewがインストールされていることが条件になります。

PuTTYの設定方法



PuTTYを設定する方法を紹介します。PuTTYの設定方法は、複雑ではないため、初心者でも設定可能です。

起動・設定前に確認することや手順などについて紹介します。


準備

PuTTYの設定前に確認すべきことは、SSHの情報です。もし、SSHを使わず、telnetやrloginを使う場合は、telnetやrloginの情報を確認します。

確認事項は、主にアカウント情報です。予め確認しておくと作業がスムーズです。



起動・設定

PuTTYの起動・設定方法は、インストールしたPuTTYを起動させます。起動したら、SSHアカウントの情報を入力が必要です。

ただ、ここで、SSHではなく、telnetやrloginを使いたい場合は、「connection type」の中に「telnet」や「rlogin」があります。

ここにチェックを入れて、必要情報を入力するだけです。

必要情報を入力して、openをクリックします。

初回やログインしたことないSSHサーバーでログインするとSecurity Alertが出ますが、問題なければ「はい」を選択して完了です。

ここでサーバーが発行したfinger printをキャッシュに保存すると次回以降のログインの際に警告メッセージは出なくなります。

PuTTYが起動したら、「ユーザー」を入力して次へ進み、パスワードを要求されるのでパスワードを入力します。

一通り作業が終わったら、「exit」とコマンドし、閉じますが、コントロールキーをしながら、dのキーを押しても同じように閉じることが可能です。


PuTTYの使い方



PuTTYは、開発などを行う際、リモート環境にあるファイルやソースコードを取り出すために使います。

PuTTYからホストサーバーを介して、リモート先へ接続して、データを入手する方法です。

こうすることでPCのメモリ消費などの障害を防ぎます。

また、リモート環境にソースコードなどを保存しておくことで、パソコンに不具合があってもバックアップにすることが可能です。


PuTTYのメリット



PuTTYのメリットは、オープンソースのため、「コストがかからないこと」、使い勝手がよい「ポータビリティに優れている」ところです。

また、パスワード入力の手間はあるもののセキュリティ面の安全性から「信頼性が高い」こともメリットになります。


コストがかからない

PuTTYは、オープンソースなので、無料で使用することが可能です。

新しいバージョンが出ても今のところオープンソースなので、入手に費用はかからないこところがメリットになります。


ポータビリティに優れている

PuTTYのメリットは、使い勝手と管理のしやすさです。PuTTYは、ダウンロードや設定がとても容易ですぐに設定することができます。

また、不要になった際の処理も簡単です。不要になったらアンイストールだけになります。

消費メモリが他のクライアントに比べて少ないこともポーテビリティに優れているところです。


信頼性が高い

PuTTYの信頼性が高い理由は、デフォルトではパスワードの入力を記憶する機能がないからです。

アプリを起動させるたびにパスワードを入力することは手間に感じるかもしれませんが、セキュリティ面で信頼性が高いといえます。

ただ、ユーザーがどうしてもパスワードを記憶させたい場合は、WinSCPを使うと実現可能です。


PuTTYのデメリット



PuTTYのデメリットとしては、SSH対応しているものの、中には対応していないSSHが存在することです。

例えば、発行された秘密の鍵をOpenSSHとします。本来PuTTYはSSH対応なので、OpenSSHも対応しています。

しかし、発行元によっては対応しておらず、エラーメッセージが出てしまうため、ここがデメリットです。

この場合、大抵はputtygenを使って秘密の鍵をPuTTYが対応しているSSHにコンパートすれば解決します。


PuTTYとターミナルソフト比較



PuTTY以外にターミナルソフトは、いくつか存在しています。PuTTY以外のターミナルソフトでメジャーなものは、TeraTermやRLoginです。

PuTTYは、Windowsユーザーにとって馴染みがあります。

TeraTermやRLogin、PoderosaもWindowsユーザーには馴染みのターミナルソフトです。

ここでは、それぞれのターミナルソフトを比較します。


TeraTerm

TeraTermは、古くからWindows対応のターミナルソフトとして開発されていて、ネットワークエンジニアのほとんどが使用しています。

TeraTermのメリットは、マクロを組むことができる、日本語やSSHに対応していることです。

以前一度開発が中断された際にPuTTYへとシェアを奪われた経緯があります。

PuTTYとTeraTermの違いは、TeraTermは、自動ログが取得できませんが、PuTTYは自動ログが取得できます。

TeraTermは、SSH2対応可能になりましたが、発行元によってはエラーが報告されている一方、PuTTYは、SSH2対応可能です。


RLogin



RLoginは、20年以上も前に開発されたターミナルソフトウェアで、PuTTYやTeraTermのいいとこ取りをしていると評判です。

PuTTYと仕様が近いため、PuTTYユーザーは、使いやすくなっています。RLoginとPuTTYを比較すると使い勝手の良さは、RLoginです。

PuTTYは、ターミナルソフトとしては歴史が長く、ユーザーが多いことで知られています。

ただ、RLoginは、他のターミナルソフトのいいところどりをした結果、PuTTYユーザーの悩みを解消した形になったからです。


Poderosa

Poderosaは、複数サーバーを同時に操作するエンジニアに適しているターミナルソフトになります。

日本では、PuTTYやTeraTerm同様、エンジニアに好まれているターミナルソフトの一つです。

Poderosaのメリットは、複数のウィンドウを開くことができること、改行の警告があることなどです。

他には、画面やタブを分割して作業を同時進行することができるという点もメリットとして挙げられます。

一方で、エンジニアがよく行うconfigの流し込み作業がPoderosaは対応していないところがデメリットです。

PuTTYとの違いは、同時進行作業に適している点であり、シンプルな作業を行う際にはPuTTYの方が使い勝手が良いと言えるでしょう。

Poderosaについては以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ併せてご参照ください。
Poderosaの使い方、利用方法を解説!競合ターミナルソフトから見たメリットとは?旧Poderosaから何が変更した?


PuTTYの学習方法



PuTTYを学びたい場合、オンラインで学ぶことが可能です。しっかりと学習したい場合は、コースが用意されているUdemyやLinkedinなどで学ぶことができます。

費用をかけたくない場合は、YouTubeなどで検索するとPuTTYの解説を見ることが可能です。

スクールでPuTTYを学びたい場合は、コースの中に含まれていることはあるものの、PuTTYだけに特化したスクールやレッスンを見つけることは難しいでしょう。

時間とコストとの相談になりますが、一般的なPuTTYを学習する方法はオンラインコースかYouTubeとなります。


まとめ



PuTTYはメリットが多く、海外でも広く利用されているクライアントシステムです。

日本語版は有志により開発・サポートされているため、最新版にも対応しています。初心者でも簡単に使うことが可能です。

日本だけでなく、海外のプログラマーからのPuTTYに対する信頼性も高く、世界中のユーザーから広く使われています。


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