水道や電気、金融などの生活インフラから身の回りにある商品のものづくり、流通といった生活環境を取り巻くもの。

私たちの生活全てにおいてデジタル化が進み、日々の暮らしに大きな利便性を与えてくれています。

それを影で支えているのが、今回ご紹介するサーバーエンジニアです。

どんな会社もサーバーを所有していますし、昨今クラウド化の波が押し寄せたことでサーバーエンジニアの知識と応用力が求められる時代です。

いつの時代、どんな業界・職種においてもサーバーエンジニアは常に必要とされる人材です。


サーバーエンジニアの仕事

ビッグデータサーバルーム


サーバーエンジニアの仕事は、主にWeb系エンジニア・SIer系エンジニアの2つに大別されます。


Web系エンジニアとSIer(エスアイア)系エンジニア

Web系エンジニアとは、フロントエンジニア・バックエンジニアの総称です。

フロントエンジニアはホームページ制作アプリ開発などPC上で完結でき、未経験者や初心者でも独学しやすい分野だといわれています。

他業種からの参入も少なくありません。

開発言語はHTMLCSSなどが代表格です。Web制作が主な業務ですが、OSLの知識はもとよりデザインのセンスやスキルも必要とされます。

バックエンジニアはサーバーを運用する業務で、Java・Python・PHPなどの言語を使用します。

バックエンジニアも比較的独学しやすく、初心者未経験者も参入しやすい分野です。

またバックエンジニアの経験を積むと、SIer(エスアイア)系エンジニアとしても重宝されやすくなります。

SIer系エンジニアは社会的なインフラ構築・運用・保守業務を行っており、システムインテグレートとも呼ばれています。

SIer系エンジニアの主な業務は大規模ネットワークの構築・運用であり、独学でカバーするのは難しい分野です。

フリーランスのサーバーエンジニアを目指すのであれば、SIer系企業で経験を積んでおくと即戦力が求められる業務が受託しやすくなります。

Java・C言語・Rubyなど保守性の高い開発言語を用います。


オンプレミス型 VS クラウド型

リンククラウド技術


サーバーには、オンプレミス型とクラウド型に分けられます。

オンプレミス型とは従来のサーバーのイメージそのものです。大規模なサーバーを購入し、システム構築・運用・保守点検を行うことになります。

時代とともに扱うデータ量が大きくなってきていることから、サーバーマシンだけではまかなえないのが現状です。

また天災対策やセキュリティ対策に多大な費用や時間・マンパワーが費やされるのも大きな課題といえます。

オフィスでのスペース確保にも限界があります。

最近では小規模企業でも運用コストが抑えられ、簡単に運用ができるクラウド型AWSなどが注目を浴びています。

AWSを皮切りにMicrosoftもIBMもクラウド型サーバーに注力しており、今後のメインストリームとなるでしょう。


サーバーエンジニアの危機感

サーバーエンジニアはオンプレミス型の経験者は豊富にいますが、クラウド型はそう多くありません。

そのため未経験を理由に業務着手にためらいが生じたり、オンプレミスだけでは仕事がなくなるのではないかと危惧するエンジニアもいます。

IT業界に身を置く者は時代にマッチするスキルを獲得し、常に磨いていなければ置いていかれる一方です。

初心者・未経験だからこそチャレンジしていく姿勢が大切です。


サーバーエンジニアの給与

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サーバーエンジニアは高度な技術・豊富な経験を要するため、一般的なサラリーマンと比較すれば高い給与水準です。


20代から30代前半のサーバーエンジニアの給与

サーバーエンジニアとして活躍するなら、新卒や第二新卒でIT系の会社に就職することが近道です。

社内でも教育や研修を行っているため、スキルアップする機会が多く得られます。

20代から30代前半のサーバーエンジニアの給与は、年収300万円から400万円前後が平均です。

若いうちからサーバーエンジニアとしてのキャリアを積んでおけば、月収100万円をクリアすることも可能でしょう。

また未経験・他業種からの参入の場合も意欲的な姿勢をアピールすれば、まだまだ歓迎される世代です。


30代から40代前半のサーバーエンジニアの給与

30代から40代前半のサーバーエンジニアの給与は、年収600万円前後です。それ以上の収入を得るケースもあります。

仕事に割く時間が最も長くなる世代です。そのため20代からサーバーエンジニアとしてのキャリアを積んでおくことで高収入が期待できます。

この世代でも未経験・他業種から参入するエンジニアが少なくありませんし、30代半ばを過ぎて新規参入に成功したサーバーエンジニアも少なからずいます。

需要は高い職種のため、勉強し続ける姿勢と意欲があれば、サーバーエンジニアとしてある程度の収入が得られるようになるでしょう。


40代から50代前半のサーバーエンジニアの給与

自分たちのオフィスで働く男性


この世代になると未経験参入はほどんと見られません。

この業界でキャリアを積んだケースを前提として、平均給与は年700万円前後です。

IT業界は最新のスキルを身につけた若い世代が活躍しやすく、40代以降では他業界へ転職するケースも散見されます。

エージェントによっては40代以降のキャリアを求める案件は多数あり、給与も他業種よりも高く設定されています。

フリーランスに転向しても、最初から年収500万円以上は保持できるでしょう。


働き方改革によりフリーランスの仕事が注目

フリーランスSE


働き方改革で残業を減らしたり、リモートワークを活用するなどの取り組みがなされ、従来の働き方が見直されています。

そんな中で「フリーランス」という働き方が注目されています。


フリーランスのメリット

フリーランスという働き方をすればフットワークが軽くなり、時間効率のいい働き方が実現できるのが一番のメリットです。

満員電車でのタイムロスや残業続きでの体調不良からも解放されます。


フリーランスのデメリット

会社員・正社員は会社に守られています。税金などの事務作業は全て専門部署が行い、給与明細を受け取るのみではないでしょうか。

フリーランスになると税金の知識が必要になります。また営業活動や収入の不安定さに悩むケースもあります。

健康保険・厚生年金なども会社員の方が手厚く、いざというときを考えるとフリーランス転向にはためらいが生じるでしょう。


リモート・在宅での仕事は現実的か?

Webデザインとコーディング


リモート・在宅勤務・時短などを導入している企業が多数あります。大企業ほど積極的に取り入れている状況です。

Web系エンジニア全体として業務・作業を行うことを考えると、在宅勤務も可能でしょう。

SIer系エンジニアとなると、大規模サーバーの社内運用・保守・メンテナンス業務が主となるため、現場に出向かないと作業できないケースがほとんどです。

しかし昨今のクラウド化により在宅やリモートでもサーバー構築や運用がしやすい環境が整いつつあります。サーバーエンジニアでも在宅勤務が可能だといえます。


フリーランスの準備

ラップトップコンピュータで仕事をするビジネスマン


サーバーエンジニアとしてのフリーランスの道を歩むことを決意したのであれば、それなりの事前準備が必要となります。


キャリアの棚卸し

履歴書・職務経歴書は必ず準備しておきます。キャリアを具体化し、深掘りして記載することが重要です。

どうしても行き詰まった場合はエージェントなどに相談して客観的な視点からのアドバイスを受けるといいでしょう。


フリーランス化計画

円満な退職を図ることを前提として、実際に仕事を獲得して報酬を得るまでの資金計画を立てる必要があります。

取得したい言語や資格があればスクールやネットコラムなどを活用するとよいでしょう。

またポートフォリオを作成して、サーバーエンジニアとしてのアピールポイントを明確にしておくのも大切です。


サーバーエンジニアの仕事探し例

仕事探し


サーバーエンジニアの仕事探しの方法としては、エージェントからの斡旋や人脈を伝っての紹介などが主流です。

最近はSNSを利用することで思わぬところからオファーがくるケースも存在します。


人脈の棚卸し

IT業界はプロジェクト毎の転職が多く、人的流動が多いのが特徴です。

自分が携わったプロジェクトの人脈を見直し、そこから新しい仕事が見つかることはよくあります。


エージェントの活用

IT業界は慢性的に人手不足であり、サーバーエンジニア案件もなくなりません。

フリーランスエージェントのサイトには案件が多数掲載されており、自身の希望と照合しながら積極的に利用登録・カウンセリングを受けてみましょう。

また福利厚生など会社員と同じような環境を整えているエージェントもあります。

こうした点を重視してエージェントを選択すれば、フリーランスとしての働き方の不安から解放されるでしょう。


SNSの活用

ブログや各種SNSを活用し、ポートフォリオを使って自己アピールするのも一つの方法です。

規約の範囲内で上手にSNSを活用すれば人脈も広がり、サーバーエンジニアとしての新しい道が開けるかもしれません。


フリーランスのサーバーエンジニアのリスクマネージメント

プロジェクトマネージャーアプリとガントチャートを含むドキュメントを含む1つの携帯電話


どんなワークスタイルを選択するにせよ、リスクマネージメントは必要です。

フリーランスとして働くサーバーエンジニアは、どんなリスクに備える必要があるのでしょうか?


健康面

フリーランスとして働くメリットとして、健康管理がしやすい点がメリットとして挙げられます。体調によって仕事量がコントロールできるからです。

睡眠時間も必要量確保しやすい環境にあります。

フィジカル面だけでなくメンタル面でも負担が軽減しやすく、うつ病なども回避しやすいでしょう。

しかし自己責任の範囲が増えることがストレスになるケースもあり、行き詰まりを感じるフリーランスも少なくありません。

一人で抱え込まずに、仕事面その他相談できる相手を見つけておくことをおすすめします。


トラブル対策

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サーバーエンジニアはトラブル対策が仕事の一つです。特にメンテナンス部門では各種トラブルに対応する必要があります。

こうしたケースではどこまでが自分の業務範囲なのかを明確化しておかなければ、業務負担は増える一方です。

業務時間・曜日などを予め確認し、契約の範囲外の仕事が発生した際の対応について考えておきましょう。


法的対策

会社員とは違い、税金面や仕事上での法的トラブルも、すべて自分で対応しなければなりません。

ある程度の法的知識は自分でリサーチして解決するスキルが求められます。

ただし一人で抱えるには限界があるため、相談できる法的エージェントの選択も検討するとよいでしょう。


サーバーエンジニアのフォローアップ

ビジネスマンがタブPCを持っている


フリーランスとしての道は平坦ではなく、プロジェクトごとに難易度は変わります。しかしその経験値は将来的には生かされます。

自己成長につなげるためにもPDCA化して良いサイクルを促したいものです。


初動が肝心

何事も初動が肝心です。初めての仕事は抜かりなく行い、信用につなげることが大切です。

これさえできれば初めから高評価が得られ、次のプロジェクトにつながりやすくなります。


信頼と実績の積み上げ

仕事に慣れ始めると効率化が図れる一方、手の抜きどころが見えてくることもあります。

効率化と手抜きは別物であり、どんな業務も丁寧に行わなければなりません。

慣れ始めたら、求められるものよりも一つ上のレベルに押し上げる努力をすることで、信頼と実績が積み上げられていきます。


PDCAサイクル作り

プラン・実行・評価・改善のサイクルは実際の業務や作業工程においても、自分自身のキャリアアップの構築においても意識的に行いましょう。

どんな仕事も失敗はつきものです。失敗を謙虚に受けとめ、原因を追求し、リスクマジメントにつなげることが大切です。


ヒューマンスキルアップ

革新的なエンジニアリングの建物設計


どんな仕事もコミュニケーションが大事です。

特にフリーランスのサーバーエンジニアの場合は他のエンジニアとの関わりも多いため「また一緒に仕事をしたい」と思ってもらえることが次の仕事に繋がります。


身だしなみ

エージェントを訪問する際や企業常駐で勤務する場合など、清潔感があり常識的な服装を心がけましょう。

フリーランスも社員も一つの目標に向かって仕事をすることに変わりはありません。


またこの人と一緒に仕事がしたいと思われるために

コミュニケーションに苦手意識を持つエンジニアは少なくありません。挨拶もなく、気分の浮き沈みが激しい人もいるかもしれません。

フリーランスは会社という枠組みに守られていないため、コミュニケーションが図れないと判断されれば仕事を失います

言語や技術のスキルアップに努めると同時にヒューマンスキルにも磨きをかけましょう。


サーバーエンジニアの将来性

ウェブサイトデザイン開発


フリーランスのサーバーエンジニアは、今後ますますニーズが高まることが予想されます。

フリーランスのサーバーエンジニアとして与えられた仕事を真摯に誠意を持って全うすることが第一です。

PDCAサイクルをうまく回してキャリアアップに努めれば、自ずと高報酬案件に恵まれて年収アップにつながるでしょう。