注目を集めているシステムエンジニア

会社でソフトウェアを触る人たち


近年、人工知能(AI)やIoTが注目を浴び、それと同時にシステムエンジニアが関心を集めています。

システムエンジニアは人手不足が騒がれ、需要も増加。経済産業省によると2030年には約79万人のIT人材が不足するそうです。

これだけを見ると、現在システムエンジニアとして働いている人は将来安泰な気もします。

ですが最近は「終身雇用は終わる」「増税」「副業」という言葉が至るところで飛び交い、会社員として将来が安泰とはいえなくなってきました。

そこで気になるのはシステムエンジニアの年収や未来です。

システムエンジニアの年収はどうなっているのか、どうすればシステムエンジニアの年収は上がるのか。

このような疑問を解決するためにこの記事では「システムエンジニアの年収推移」と「フリーランスという働き方」について解説します。


システムエンジニアの年収推移

インフラエンジニア


まずは、システムエンジニアの年収推移について見ていきましょう。

          平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年

SEの平均年収(円) 597.9  542.9   592.3   547.1    550.8

全職業の平均年収(円)435  445.8   450.5   454.4    454.5

システムエンジニアの年収は全職種平均年収と比べても、100万円に近いほどの差があることが分かります。

平成29年度のデータではSEの平均年収は550.8万円なのに対し、全職種平均年収は454.5万円でした。

近年は、人工知能(AI)やIoTが注目されていて、この差はより大きくなっていくと考えられます。

そして以下が「年齢ごとのシステムエンジニアの年収」のデータです。

年齢 SEの平均年収(円)

20~24 339.7

25~29 441.1

30~34 519.1

35~39 539.7

40~44 576.9

45~49 605.5

50~54 622.4

55~59 632.3

60~64 416.9

65~69 321.6

「年齢ごとのシステムエンジニアの年収」のデータを見ると、60歳までは年功序列で年収が上がっています。

長く続ければ続けるほど給料が上がっていくため、長く続けるほど安泰といえるでしょう。


今後システムエンジニアはどうなるのか?

デザインのプロジェクトを行う男性


上記の項目で、システムエンジニアの年収について詳しく解説しました。

しかし、年収の高さだけでシステムエンジニアの今後を予想してしまうのは危険です。

近年人工知能(AI)やIoTが注目されていて、それに伴いシステムエンジニアの役割も大きくなってきました。


フリーランスエンジニアになる

デスクトップでコーディングする若い男性


現在Slerで働いている人にとって最もオススメな選択肢は、フリーランスエンジニアになることです。仕事量次第では年収も会社員より上です。

フリーランスエンジニアの平均的な年収は500~800万円だといわれています。

すでにSIerで働いた経験があったり、SEの経験がある方の年収はもっと上がるでしょう。

そこで一つの基準として気になるのが「フリーランスエンジニアになれば年収1,000万円は可能なのか?」ですよね。

フリーランスエンジニアになれば、年収1,000万円は十分可能だといえます。

これからフリーランスエンジニアを目指す方は、以下の記事も併せてご参照ください。

フリーランスの概要から、フリーランスエンジニアとして活躍するための情報について詳しく紹介しています。

フリーランスとは?意味や定義から、個人事業主や自営業との違い、代表的な職種と仕事内容についてわかりやすく解説

フリーランスITエンジニアになるには? フリーランスエンジニアになるための流れと、活躍するためのポイントを解説


フリーランスで年収1,000万は可能



フリーランスで年収1,000万円は可能です。

エンジニアとしてのスキルや、クライアントを得る人脈、交渉術が必要になりますが、フリーランスで年収1,000万円を超えている人は多くいます。

さらにフリーランスになれば、働く場所・時間に縛られず面倒な人間関係は減り、経費を使えるというメリットもあります。

ではフリーランスエンジニアが年収1,000万円を達成するためにはどうしたらいいのでしょうか。

次はそのために必要なスキルを解説します。


必要なスキル



フリーランスエンジニアが年収1,000万円を稼ぐために必要だと考えられるスキルは「プログラミングスキル」「交渉術」「人脈」「提案力」「自己管理能力」です。

1つずつ説明します。


プログラミングスキル

かなり幅広いですが、もっとも必要なのがプログラミングスキルです。

求められたものを納品できるプログラミング能力は必要不可欠。

SEとして働いた実績や、資格があれば信頼を得やすいでしょう。

いろいろな言語を使いこなせれば、仕事の幅も増え、年収1,000万円は達成しやすくなります。


コミュニケーション能力

フリーランスエンジニアは会社の上司との面倒な人間関係は無くなりますが、クライアントとのコミュニケーションはしなければなりません。

プログラマーとして働いていた人は、そういったコミュニケーションや交渉が苦手かもしれません。

ですがフリーランスエンジニアとして年収1,000万円を目指すのであればコミュニケーション能力は必要不可欠です。

「クライアントの望むものはなにか?」「値段は?」「期間は?」といったようなコミュニケーションをしっかり行い信頼を築きましょう。

クライアントとしっかりとコミュニケーションをとり、信頼してもらえば年収1,000万円は達成しやすくなります。


人脈

フリーランスエンジニアとして働き始めると、自分で仕事を探す必要があります。

もしSIerやプログラマーとして働いていたときの人脈があればフル活用しましょう。

人脈がなくてもIT系のコミュニティーに行って積極的に人脈を作ることもオススメです。

誰がどんなタイミングで自分を助けてくれるのか分かりません。

人脈から安定した仕事を得たり助けてもらったりすれば、年収1,000万円は達成しやすくなります。


提案力

提案力は必須ではありませんが、あると心強い武器です。

提案力があればクライアントから信頼されやすくなります。

「そのサービスを行いたいなら、こうした方がいいですよ」と、経験則から感じた知識を提供できれば、クライアントも得したと思い信頼してくれます。

信頼を獲得することでその後の値段交渉がスムーズにいったり、継続的に案件を獲得できたりと、提案力の重要性はバカにできません。

的確な提案力があればクライアントから信用を得ることができ、年収1,000万円に達しやすくなります。


自己管理能力

フリーランスエンジニアはしっかりとした自己管理能力が必要です。

納期を守れないと信頼がなくなってしまうし、給料は入ってきません。

フリーランスエンジニアは、会社ではなく自分を看板に仕事を得る必要があるので、信頼は最も大切です。

自己管理をしっかり行い、信頼を築き上げましょう。

自己管理能力があってはじめて、年収1,000万円を狙えます。


仕事の見つけ方



フリーランスになった場合、仕事は自分で見つけなければいけません。

仕事を受注する方法は、一般的に以下の方法があります。

  • SNSで発信する
  • 過去のクライアントに連絡する
  • 知り合いに相談
  • IT業界の交流会に参加
  • クラウドソーシングサイトに登録
  • エージェントに連絡

以下の項目で、1つずつ紹介します。


SNSで情報発信



SNSは個人で活動するフリーランスエンジニアにとって、名刺のような存在です。

プログラミングの知識を発信したり、フリーランスエンジニアとしての功績を発信していきましょう。

そうすることによって、自然と「この人はフリーランスエンジニアとして、優秀な人なんだな」と信頼してくれます。

フリーランスにとって信頼は何よりも大切です。SNSを通して、仕事を依頼してくれる方もいます。

だいたいフォロワーが1,000人以上になると案件獲得には困りません。

SNSも仕事の一環として、発信しましょう。


知り合いに連絡

エンジニアを探している知り合いに連絡してみましょう。

そんなに都合よくエンジニアを探している知り合いは、いないかもしれません。

ですが、社会人時代にできた人脈をたどったり、友達に自分がフリーランスエンジニアとして活動していることを話してみましょう。

意外なところから、仕事の依頼がやってきたりします。


IT業界の交流会に行く

握手するビジネスマン


人脈がない場合、IT業界の交流会に行くことをオススメします。

IT業界の交流会に行けば同じような境遇の人と出会い、友達になれたり、エンジニアを探している企業と知り合いになれたりします。

フリーランスエンジニアは人との出会いが減ってしまうので、積極的にIT業界の交流会に行くことは大切です。

仕事を得るためには人脈を重要視しましょう。


クラウドソーシングサイトに登録

クラウドソーシングサイトとは、インターネット上で不特定多数の人に仕事を依頼、受注する場所のことをいいます。

フリーランスエンジニアになれば、クラウドソーシングサイトを積極的に活用しましょう。

最初はどうしても単価が低く重労働ですが、徐々に信頼性も上がっていき継続的な案件を獲得できるようになるはずです。

また、クラウドソーシングサイトでは、報酬の未払いなどの問題が起きないように保証されています。

そういった安全性を考えても、クラウドソーシングサイトは仕事を得る場所として優秀です。

代表的なクラウドソーシングサイトに「クラウドワークス」と「ランサーズ」があります。

どちらにも登録することをオススメします。


フリーランスエージェントに登録

フリーランスエージェントとは、営業から契約締結までの業務を全て代行してくれるサービスやその運営会社のことです。

フリーランスエージェントがしてくれる仕事は、主に以下の通りです。

  • フリーランスに仕事情報を提供
  • クライアント企業との案件説明・打ち合わせサポート
  • クライアント企業と契約中のフリーランスをサポート
  • フリーランス向けのセミナーを通して、スキルアップ・人脈形成のサポート

フリーランスエージェントに登録することにより、案件が増え、仕事は安定していきます。

面倒な請求書などの事務手続きも代行してくれるので、フリーランスエンジニアならぜひ登録すべきです。

評判のいいフリーランスエージェントに「ギークスジョブ」「フォスターフリーランス」「ミッドワークス」「フリエン」「アットエンジニア」があります。

まずはどれでもいいので、サイトを見ることからはじめてみましょう。


案件の見極め方

想像を膨らませる男性


クラウドソーシングサイトから案件を受ける場合、相手の顔が見えません。

そのため「どんな性格をしているのか」「なにが好きで、何をされるのが嫌いなのか」といった交渉に必要な情報は得られないことが多いです。

フリーランスエージェントで仕事を探すとしても、案件の見極め方が分からないと、時間と報酬が割に合わなかったりします。

それらを避けるにはどうしたらいいのか、逆に何が良い案件なのか、その見分け方を詳しく解説します。


レベルの高いメンバーがいること

なるべくレベルの高いメンバーがいる案件を選びましょう。

開発は基本的にチームで行います。チームに1人でもレベルの高いメンバーがいると、仕事はスムーズに進み、効率的です。

そしてレベルの高いメンバーからは学べることも多いでしょう。

フリーランスになると誰かから学べる機会減ってしまうので、そういった意味でもいい刺激になります。


仕事内容が単価と見合っているか

仕事内容が単価と見合っているかはとても重要です。

しかし始めた当初はどうしても単価が低い傾向にあります。

クラウドソーシングサイトで受注しようとすると、最初のうちは単価が低いです。

フリーランスエージェントを利用するにしても、エージェントごとに単価が違ったりもします。

なので、まずはたくさんの案件に目を通してみましょう。

そして単価のおおよその平均と自分の技量を比べて、案件を受けるようにしましょう。


クライアントの人柄

直接人と関わって仕事をする場合は、クライアントの人柄を最優先に考えましょう。

連絡はしてくれる人か、嘘をつかない人か、信頼できる人か。

自分の経験則から判断して、信頼のできるクライアントを選びましょう。

クラウドソーシングサイトを使う場合は、仕事内容の説明やプロフィール写真、評価を参考にして、できるだけ信頼できるクライアントを選びましょう。


仕事がないときは?



フリーランスになると、仕事は自分で見つけて来なければいけません。

ミスをした、人脈がないなどの要素があった場合、仕事がなくなってしまうこともあります。

そんなとき、どうすればいいのでしょうか。


過去のクライアントに連絡

まずは過去のクライアントに連絡してみることをオススメします。タイミングやあなたの信頼性によりますが、仕事をくれるかもしれません。

またクライアントの知り合いがエンジニアを探している場合もあります。

IT業界は人脈の繋がりが強いので、連絡する価値は高いといえるでしょう。


フリーランスエージェントに連絡

フリーランスエージェントにはたくさんの案件があります。

新たに自分の魅力をアピールして、案件を獲得しましょう。しっかり自分の魅力をアピールすれば、仕事はカンタンにもらえます。

エンジニアは人手不足ですので、仕事が無くなることを心配する必要はありません。


継続的に案件を獲得するコツは?

成功を掴んだ男性


フリーランスは仕事を自分で探してこなければいけませんが、毎回単発で終わってしまっては給料が安定しません。

信用もされず、そのせいでまた単発の契約で終わる悪循環のループに陥ってしまいます。

クライアントに気に入られ、継続的に仕事がやってくるようになるにはどうすればいいでしょうか。

次は継続的に案件を獲得するコツを解説します。


与えられてた仕事に全力を尽くす

当たり前ですが、これしかありません。

どれだけ難しい案件だろうと、しっかりこなし、期限までに納品できれば、あなたの信頼性は上がります。

「またこの人に依頼しよう」と思ってもらえれば、継続的に案件を獲得できるはずです。


クライアントに好かれる

クライアントに好かれると、継続的に仕事を依頼してくれます。

ここでいう好かれるとは、「完璧な仕事をする」だけではありません。

もちろん完璧な仕事をした上で、あなたの性格や人間性も重要です。

趣味が同じだったらそれについての話をしたり、クライアントがどういう人なのか興味をもって接したり、好かれるような行動を心がけましょう。

仕事の技術以外にも好かれる要素はたくさんあります。

そしてこれも継続的に案件を獲得するという点において、バカにできないほどの影響があります。

是非コミュニケーションや人間性を磨いて、人として好かれるようになりましょう。


おわりに

自宅でパソコンを使う若い男


システムエンジニアの年収、フリーランスエンジニアの年収、さらにはフリーランスエンジニアに必要なスキルや案件の見極め方を紹介しました。

フリーランスエンジニアになれば、自分がする仕事は増え、責任はすべて自分が受けなければいけませんし、突然仕事が無くなってしまうこともあります。

しかしフリーランスに必要なスキルを磨き、クライアントから信頼を得れば、会社員よりも稼ぐことができ、時間や場所、嫌な上司に縛られることもありません。

年収1,000万円も狙えます。

年収アップ、自由な人生、安定した生活など、いろいろなことを考えてフリーランスになるか迷っている方も多いことでしょう。

この記事がそんな迷いを解消できたら幸いです。