こんにちは。こんにちは、A-STARコラム編集部です。

経済産業省が2019年に発表したDXレポート~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』によると、2025年には日本国内のIT人材が43万人も不足すると言われています。

一方、デジタル化の進展を受け、先端のITやデジタル技術を活用したシステム開発に必要ないわゆる「IT人材」に対する求人ニーズは今もうなぎのぼりです。

こうしたトレンドを背景に、近年は経験豊富なシステムエンジニア(SE)が独立し、フリーランスのシステムエンジニア(SE)として活躍しながら、組織に縛らない形で大幅な年収アップやワークライフバランス(Quality of LifeQoL)を実現させるケースが増えてきました。

そこで本記事では、フリーランスSEとして独立を考えているシステムエンジニアの方がまずは押さえておきたい情報として、フリーランスに求められるスキルのほか、実際の年収レンジや単価相場、さらには年収アップにつながる高単価案件への参画方法などを解説します。将来の独立に向けた一歩として是非、ご一読いただけると幸いです

あらためてフリーランスエンジニアとは?

ノートパソコン

フリーランスエンジニアとは、特定の企業に社員として所属していないITエンジニアを指します。

多くのフリーランスエンジニアは通常、企業の社内ITエンジニアとして経験を積んだ後に独立することが多いですが、実力のあるフリーランスエンジニアの中には、大学や専門学校などを卒業後あるいは在学中にサラリーマンなどの経験なしにいきなりフリーランスとして活躍する人も少なくありません。

一つは個人事業主として独立するケース、もう一つはマイクロ法人などの小規模な会社を設立し、法人として事業を運営するケースです。

それぞれにメリット、デメリットがありますが、一般的にはフリーランスSEとして独立したてのころは個人事業主として開業手続きやエージェント登録などを行い、案件を請け負うことが多いでしょう。

その後、事業拡大や節税の観点から法人化した方がメリットが高いと判断されれば、独立の第二ステップとして会社を設立するといった流れになります。

一方、個人事業主というのは、あくまで税務上の区分であり、会社(法人)を設立せずに、個人で事業を行っている人を指します。

このため、例えば、フリーランスエンジニアとして活躍している人の中には個人事業主もいれば、法人代表もいます。つまり、フリーランスエンジニア全員が個人事業主というわけではありません。

また、勤めていた企業を退職し、フリーランスエンジニアとして独立する場合は大きく分けて2つの選択肢が存在します。

なお、フリーランスというのは自分の腕(実力)を頼りに特定の組織の所属しないという意味であり、働き方の一形態を指す言葉です。

フリーランスエンジニアのメリット、デメリットとは?

オフィスで働くプログラマー

フリーランスという働き方には、当然ながら会社員とは異なるメリット、デメリットが存在します。

以下に掲げたメリットおよびデメリットは、フリーランスエンジニアに限らず、多くのフリーランスに当てはまることですが、あらためて確認しておきましょう。

フリーランスエンジニアとして働くメリット

  • スケジュールを自分で決められるので、休みも自由に取れる

常駐型の案件の期間中などは会社員時代と同様に月曜日から金曜日までクライアント先に出勤するケースもありますが、案件ごとに自分のスケジュールを管理できるのがフリーランスの良さのひとつです。

このため長い休みを取ってリフレッシュする期間や新たなスキルを身に付けるための自己投資の時間をつくりやすいと言えます。

  • 場所や組織に縛られない柔軟な働き方ができる

これもフリーランスの大きなメリットのひとつですが、フリーランスエンジニアは案件ベースで働くことが多いため、特定の場所や組織に縛られない働き方が可能です。

また、ここ数年でリモートワークが大きく普及したことも追い風となっており、沖縄や軽井沢などのリゾートに移住し、リモートワークをしながら各自のペースで子育てとキャリアを両立させるフリーランスエンジニアも増えています。

  • 大幅な年収アップを狙える

フリーランスは一国一城の主として、自分の腕で食べていく働き方です。このため、市場価値の高いスキルと経験を持ち合わせていれば、会社員時代よりも高い単価を稼ぐことができます。

また、上司との人間関係や社内の出世競争などの外部要因に振り回されることなく、実力だけで大きく年収を上げられる点も魅力に感じる人も少なくないと思います。

ただ、働いた分だけ稼げるのがフリーランスなので、逆に働かなければその分年収も下がってしまうことも頭に入れておきましょう。 

  • 仕事を選べる

自分が得意な分野、やりたい仕事を選びながらキャリア築いていけるのがフリーランスエンジニアの醍醐味でもあります。

さまざまな案件を通じ、実績を積み上げていく過程で仕事の幅を広げ、案件単価も上げていくことができれば、会社員時代よりも高い年収と自由を手に入れることができます。

フリーランスエンジニアとして働くデメリット

  •   収入が不安定になる可能性がある

これは上記のメリットの裏返しでもありますが、働いた分だけ稼げるということは逆に言えば、働かないと収入が不安定になるということです。

万が一、自分自身の病気や家族の介護などで働けなくなるようなことがあれば、収入面が大きな不安を抱えることになる点は注意したいところです。

  • 正社員に比べて社会的信用が低い

起業家などにも言えることですが、フリーランスというのは企業という大きな看板がある会社員と異なり、社会的信用という点で低くみられる傾向があります。

このため、特に駆け出しの時期などは金融機関での住宅ローンやクレジットカードの審査が通らないこともあると言われています。

  •  税金等の管理を自分でする必要がある

フリーランスは一国一城の主なので、経費や税金、紹介保険料などのすべてを自分が稼いだ年収から支払う必要があります。

会社員時代には総務や経理のスタッフが代行してくれていたような事務手続きや税務署での確定申告など、エンジニアとして求められる業務に加え、自分でやらなければいけないことが増えることは覚悟しておきましょう。

もっとも、現在はこうした経理や事務手続きをアウト―ソーシングできるサービスも豊富にありますので、必要に応じて活用していくとよいでしょう。

  •  研修などのトレーニングの機会が限られる

フリーランスエンジニアは即戦力としての役割を期待されるため、一般の会社員が受ける社内トレーニングやマネージャー向け研修のような学びの機会が限られるのも事実です。

また、未経験者向けのOJTOn-the-Job Training、職場での実践型トレトレーニング)のような機会もほぼないと考えてよいでしょう。

フリーランスSE(システムエンジニア)とは?


ビジネスマンの手元のクローズアップ

なお、フリーランスエンジニアを語る際に、しばしばフリーランスSEという言葉が使われることがあります。これは、正確にはフリーランスとして働くシステムエンジニア(SE)を指しています。SEはシステム開発における幅広い工程に携わることが多いため、フリーランスエンジニアの採用市場でも幅広い需要が見込める職種のひとつです。

それ以外にもITエンジニアにはプログラマーやインフラエンジニアなど、さまざまな職種が存在しますが、それはフリーランスになっても同様です。このため、会社員として一企業で働くエンジニア(社員エンジニア)であろうが、フリーランスエンジニアであろうが、仕事内容が大きく変わることはありません。

では、ここであらためてフリーランスエンジニアの種類とそれぞれの仕事内容についてみていきましょう。

フリーランスでも活躍できるエンジニアの種類

システムエンジニア

SEと略されることも多いシステムエンジニアは、ITシステム開発における全ての行程を計画し、進行させていく上で欠かせない存在です。業務内容は要件定義から設計・実装・テスト・運用・保守までと幅広く、プログラミングはもちろんデータベースやネットワークも含めた幅広い知識が要求される職種です。

また、実務ではクライアントの業務内容を理解し、その要求に応えられるようにシステムを設計したり、仕様書を作成したりするため、技術力だけでなく、高いコミュニケーション能力も求められることが少なくありません。また、システム開発は技術の進歩とともに分業が進んできたため、SEの仕事内容も細分化されています。

ITエンジニアにはさまざまな職種が存在する中で、SEというのはある種、“総合職”のような役割が期待されることが少なくありません。このため、さまざまな開発経験やスキルに加え、エンジニアとして人より秀でた何かを身に付けていれば、より多くのチャンスに恵まれやすくなると言えるでしょう。

プログラマー

プログラマーはシステム設計などの上流工程には関わることがなく、コードの実装(コーディング)に特化した業務を行います。基本的にプログラマーはシステムエンジニアが作成した仕様書(設計書)をもとにして実際にプログラムを作成していきます。なお、システムエンジニアがコーディングを行うもあるため、開発規模によってはプログラマーと呼ばれる役職が存在しないケースもあります。

フロントエンジニア

フロントエンドエンジニアはWebアプリケーションなどでユーザーが直接触れる部分(フロントエンド)の開発を担当します。主にHTMLCSSはじめとした技術・知識を活用し、Webの制作を行う職種です。中にはフロントエンドエンジニアがWebデザイナーを兼任し、一人でデザイン設計から実装までを行うケースもありますが、基本的にはWebデザイナーが作成したデザインを再現し、それをブラウザに表示できるようにコーディングを行う場合が多いです。

バックエンドエンジニア

これに対し、Webサイトを利用するユーザーには見えない部分のシステム開発を担当するのがバックエンドエンジニアです。こうしたバックエンドには例えば、サーバサイドのシステム構築やデータベースの構築などが含まれます。また、HTMLCSSなどの知識が求められるフロントエンドエンジニアと異なり、バックエンドエンジニアとして活躍するにはミドルウェアやバックエンドの開発言語の知識が必要です。

サーバーサイドエンジニア

なお、少し紛らわしいのですが、バックエンドエンジニアの中には、サーバーサイドエンジニアという役職も存在します。サーバーサイドエンジニアは、Webアプリケーションにおいてサーバー側で処理を行うためのプログラム開発や、サーバーで扱うデータの管理が主な業務です。ユーザーに見えない部分の開発を担っているという意味ではバックエンドエンジニアと同じですが、「サーバー側」の処理や管理を担当しているという意味で、サーバーサイドエンジニアという名称が付けられることもあります。

インフラエンジニア

インフラエンジニアは新たなシステムの開発というよりも、既存のシステムが問題なく動くための環境の構築に注力しています。具体的には、サーバーやネットワーク、データベースの設計・構築・管理に加え、その後の運用・保守などもが主な業務内容です。インフラエンジニアは、以下に挙げるサーバーエンジニア、ネットワークエンジニアを含んだ名称とも言えます。

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアはサーバーシステムの設計・構築・運用・保守を担当します。一通りシステムエンジニアとしてのキャリアを積んだ後にサーバーに特化したエンジニアとしてキャリアアップを図るケースもあり、特に高度な処理速度や膨大なアクセスが前提である大規模なシステムでは、サーバーエンジニアの役割は重要です。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアはインターネット上のデータを正常にやりとりするための回線(ネットワーク)に関する業務を担当します。またネットワークの設計・構築の段階でサーバーやセキュリティに関わる部分に触れることも少なくなく、高い専門性が求められます。

データベースエンジニア

データベースエンジニアは、データベースの設計から保守までを担当するエンジニアです。これらのデータベースは実務ではさまざまなアプリケーションと連携させる必要が多いため、開発を手掛けるエンジニアがデータベースの設計と構築までをカバーすることが多いです。

セキュリティエンジニア

IT技術の進展に伴い、あらゆる端末がインターネットにつながる中、サイバー攻撃の脅威も高まっています。セキュリティエンジニアは機密情報を含む情報やデータの漏洩を防ぐために、必要なセキュリティ対策の導入や実際のサイバー攻撃に対する検知や防御など、セキュリティに関するシステム全般を担当する職種です。

 参照:エンジニアの種類をわかりやすく解説!仕事内容や必要な資格・平均年収は?フリーランスや未経験に向いている職種と将来性も検証

上記に挙げた以外にも、システムエンジニアにはさまざまな仕事が存在します。実際、毎年のように新たな技術やツールが登場し、日々進化を続けるさまざまなテクノロジーにキャッチアップし、ビジネス価値を発揮できるスキルを身に付ければ、フリーランスSEとして独立後、サラリーマン時代より大きく稼ぐことも夢ではありません。

とはいえ、フリーランスエンジニアは即戦力としてクライアントである企業から一定のパフォーマンスを期待されるのが常です。このため、どのようなスキルや領域に対して企業のニーズが高いのなどをしっかり把握しておくことは、将来の独立を見据えながらスキルアップを図るためには重要です。

実際、フリーランスエンジニアに対する企業側の求人状況には人気のスキルや案件など、一定の偏りが存在するのも事実です。それでは、次の章ではフリーランスエンジニアの中でも最も案件数が多いフリーランスシステムエンジニア(SE)を取り上げながら、人気の案件やおすすめ案件についてみていきましょう。

フリーランスSEの人気案件

ガッツポーズするエンジニア

繰り返しになりますが、フリーランスSEになるメリットとして広く知られていることは以下の3つです。

  • 収入が上がる
  • 場所・時間に縛られず、自由に働くことができる
  • 自分で仕事を選ぶことができる

参照:フリーランスエンジニアと会社員エンジニアの年収を比較!働き方とメリット・デメリットからフリーランスエンジニアの実態に迫る

こうしたメリットを生かし、フリーランスSEとして実際に独立した人、あるいはこれから独立しようと考えている多くの人には、在宅・高収入といった案件が人気です。

また、近年はIT人材の不足という課題に直面する中、企業側にもフリーランスSEを活用する動きが広がっており、現在は週3日勤務の高収入案件や週1日の顧問案件などの超上流工程案件も増えてきました。

とはいえ、多くの企業では社員SEに代わる優秀な人材を安定的に確保したいとのニーズが強いことから、現実的には客先常駐型で週5日勤務の長期契約の求人案件が主流となっています。

また、在宅型の場合、常駐型より情報流出リスクが高くなることを懸念し、特に大企業ほど常駐型を好む傾向があります。

実際、フリーランスとなると不安定になってしまうので、フリーランスSEの立場からもまずは安定した契約を求める方が多く、週5日勤務の常駐案件は企業、フリーランスの双方にとって人気と言えるでしょう。

フリーランスSEおすすめ案件

ご存じのとおりフリーランスのSE(システムエンジニア)は特定の企業と雇用契約ではなく、業務委託を結び、事業主として業務を請け負います。前述したように「場所・時間に縛られず、自由に働くことができる」「自分で仕事を選ぶことができる」といったメリットがあり、本人の希望に応じて常駐型、在宅型、あるいは両者のハイブリッド型といった風に柔軟な働き方が可能です。

とはいえ、案件のニーズとしては在宅型よりもクライアント先で他のプロジェクトメンバーと席を並べて働くという常駐型が主流のため、本記事では主に常駐型案件について解説していきます。

常駐案

フリーランスとなると在宅で自由に働きたいという方も多いですが、常駐案件の場合、クライアントからPCや各種端末、作業部屋など業務に必要なツール一式を支給されることが多いため、特に自前で何かを用意することなく、すぐに働くことができるいうメリットがあります。

また、常駐案件では同じプロジェクトメンバーとして他のSEの方も多く在籍しているので、情報交換の場になったり次の案件につなげることもできるようです。

また、常駐案件には大手企業の大きな仕事に携わることができるというメリットもあります。

今までフリーランスの実務経験不足で案件を受注できなかった方も、常駐案件を経験することで信頼を獲得することが可能です。

そのため、フリーランスSEになったらまずは常駐案件から取り組むのが人気となっています。

慢性的な人手不足の状態なので、常駐案件は想像以上にたくさん見つけることができるはずです。

その中から自分のスキルやキャリアに合った常駐案件を選んでみましょう。

週5日勤務で安定

フリーランスSEになって心配なのは、不安定な状態ということではないでしょうか。

フリーランスSEの案件は58時間勤務時短勤務など、会社員時代と変わらない働き方をすることができます。

働き方は変わっていませんが、フリーランスSEになることで高収入案件を選び年収アップさせることも可能です。

フリーランスSEとなると会社員時代とは違う働き方に憧れますが、まずは週5日や時短勤務で慣らしてみてはいかがでしょうか。

会社員時代と同じ働き方でも、年収アップや人脈の構築などプラスに働くはずですよ。

本当に稼げるフリーランスSEとは

Webアプリケーションエンジニア

ノートパソコンで作業する男性

現在のフリーランスSE案件で最も求人が多いのが、Webアプリケーションエンジニアです。

どの企業もWebサービスを展開しているので、プログラミング言語を使えるエンジニアの求人案件が多くなっています。

一度携わるとアプリの仕様変更など、複数回にわたって依頼をもらえる可能性があるのもメリットでしょう。

アプリの開発などは、フリーランスSEにとっても在宅や自由なスケジュールで進めることができるため人気の案件です。

フリーランスSEの理想の働き方を実現したい方にもWebアプリケーションエンジニアはおすすめといえます。

プログラミング言語を使用できるなら、今はWebアプリケーションエンジニア案件で稼ぎましょう。

SIer系エンジニア

サーバールームで作業をするエンジニア

SIer系エンジニアは、企業にシステムを導入するサポートを行っているうシステム開発・導入支援企業(SIerで働くエンジニアです。

こうしたSIerはメーカーから金融、サービス、行政などあらゆる業界の顧客に対してB2B向けのIT構築支援を推進しており、大規模な開発案件などを数多く手掛けています。

常に人手不足に悩んでいるSIerにとってはフリーランスSEに対するニーズは高く、B2B向けの開発や大規模案件の経験がある人にとっては、おすすめのフリーランスSE案件となっています。

フリーランスSEの報酬

単価相場

起業家のオフィスでデスクトップで詰め物をした封筒を開く

フリーランスSEの月当たりの単価相場は、6080万円です。

こちらの単価は1案件、または常駐の1月分の報酬となっています。

フリーランスであれば他の案件と同時進行で進めることも可能なので、会社員時代よりの収入アップが可能なのです。

常駐であれば時短勤務などの案件を選び、より自由なスケジューリングを可能にすることもできます。

単価相場はフリーランスSEの案件によって左右される上に、需要が高まるほど相場の値上がりが期待できるでしょう。

その中でもとくに単価が期待されるのが、SIer系エンジニア案件です。

SIer系エンジニアの単価相場は、70万円からと平均相場よりも上回る報酬を期待できます。

それに加えて人手不足が続き、少し高くても人手が欲しい状態なので相場も以前より上がることが予想されるのです。

収入が手取りではない

税金とビジネス

フリーランスSEの報酬で気を付けたいのが、報酬=手取りではないという事実を心得ておきましょう。

フリーランスSE個人事業主に該当するので、仮に毎日客先に出勤し、常駐していたとしても会社員とは雇用形態が違うので注意が必要です。

つまり、経費や保険料・税金のことを踏まえて自分の報酬を理解しておく必要があります。

月次ベースの報酬が会社員時代の月給を上回ったからといって、それがそのまま手元に残るわけではありません。実際は、クライアントから支払われた報酬に対して、経費を差し引いたものが年収や利益になります。

会社員時代には給料から天引きされていた年金や健康保険料などの社会保険料も、すべて自分で支払う必要があるため、額面の報酬だけを気にしていると、実際の手取りは当初見込んでいたほどでもないというようなことも起こり得ます。

年収アップを実現するためには

このため、「フリーランスSEとして独立はしてみたけれど、思ったほど稼げない」といったようなことを防ぐためには、どのような開発案件に対して需要が高まっているのか、どのようなスキルがあればより高単価の案件を受注できるのかなど、会社員時代よりも求人市場の動向に敏感になることが重要になります。

トレンド案件を狙う

コーディング作業する男性

フリーランスSE案件で年収アップを狙うなら、トレンドに敏感でいることが大切です。

トレンドといっても世の中の流行ではなく、SEの需要と供給に敏感であることが重要になります。

フリーランスSEのメリットは、自分の裁量で仕事を選べるということです。

需要が低い案件というのは必然的に単価も下がりやすくなる傾向があります。

だからこそ、SE案件のトレンドに敏感になり、より高い単価が期待できる案件を獲得するようにしましょう。

上流工程を担当する

パソコン画面を示して同僚と話す男性

では、フリーランスSEとして高単価案件を獲得するにはどうすればいいのでしょうか。一般的にフリーランスSEの案件は、上流工程であればあるほど報酬が高くなっています。

ここであらためてシステム開発のフローを確認しておきましょう。

システム開発は以下の流れに分けることが可能です。

  • 要件定義
  • 外部設計
  • 内部設計
  • プログラミング
  • テスト
  • 運用・保守

一般的にウォーターフォール型の開発モデルでは、要件定義から外部設計までを上流工程と捉え、それ以降のプログラミングやテストなどは下流工程に分類されます。なお、運用・保守は納品後に行われるフローであるため、上流工程・下流工程のどちらにも分類しないことも多いようです。

参照:ITの上流工程とは?仕事内容や流れ・平均年収を解説!求められるスキルや有益な資格は?上流工程のエンジニアの向き・不向きとは

つまり、あなた自身が要件定義や外部設計といった上流工程を担当できるスキルを持ち合わせていることで、年収アップさせることができるのです。

逆に現時点で上流工程を担当できるスキルや経験を持ち合わせていないという方は、フリーランスSEのメリットである柔軟な働き方を活用し、空き時間に自分で勉強するなり、少しでも上流工程に関われそうな案件を探したりといった取り組みを通じ、少しずつスキルアップを図ることが有効です。

実際、拘束時間の長い会社員と比べると、フリーランスSEになれば間違いなく自由度は上がります。もちろん、そうした高い自由度というのは、会社員が持つ高い安定性とトレードオフの関係にあると言っても過言ではありません。このため、現時点で高い市場価値に見合うスキルがなければ、スキルアップのために積極的に自己投資などを行うことも需要です。

こうした努力を重ねることで最初は上流工程に関われずに年収が予想より低くなってしまったとしても、挽回することは可能です。

交渉スキルを身につける

握手するビジネスマン

このほか、フリーランスSEには個人事業主として経営感覚が求められることは言うまでもありません。具体的に何を意味しているのかというと、与えられた仕事をこなしていればよかった会社員時代とは異なり、フリーランスSEは案件ごとに業務委託契約を結んで働くため、契約の際にはエンジニアとしての自身の価値をクライアントに伝え、場合によって交渉を通じて希望する単価を獲得していくことが求められます。

あなたがフリーランスSEとしての経験に自信があるなら、当初の提示額よりも高い単価で案件を受注することも可能でしょう。最初は交渉して断られることに不安を感じるかもしれませんが、フリーランスSE案件は他にもたくさんあるので、自分のスキルや経験に自信があるのなら、時には積極的に単価交渉にチャレンジしてみる価値はあるかもしれません。いずれによせ独立する以上、自分が望む報酬を手に入れるための交渉スキルは身に付けておいて損はありません。

今まで交渉をしたことがないという方は、一度エージェントに依頼してみるのもおすすめです。プロフェッショナルITエンジニアのための求人・案件情報サイトを運営しているA-STARでは随時、新着案件をご紹介していますので、興味のある案件にコンタクトすることを通じて、まずはエージェントに相談してみてはいかがでしょうか。


A-STARの新着案件はこちら



報酬を上げるためのスキル

技術力と経験

作業するビジネスマン

前の章で年収を上げるためには交渉スキルが必要ということがわかりましたが、それには説得力のある材料が必要です。

それがSEとしての技術力と経験になります。

技術や経験がないにもかかわらず、ただ単価アップを要求するフリーランスSEを優しく受け入れてくれる企業はないと考えてよいでしょう。

また、もし自身の技術力や経験に不安を感じているのであれば、独学などでスキルアップを図る以外にも大手の案件に関わってみることも効果的です。というのは、フリーランスSEで大手の案件に携わったという経歴は、今後の案件獲得にプラスになることが多いからです。つまり、クライアントの知名度やブランドをうまく活用し、自分の信頼と実績につなげることができれば、フリーランスSEとしての市場価値を高めることが可能です。

また大手で仕事をすることで、仕事の進め方ややり方なども勉強になる部分は少なくありません。稼げるフリーランスSEになるためには、小規模の案件ばかりではなく、大きなプロジェクトに参加することで幅広い技術力に触れながら、自身のスキルを証明していく意欲的な姿勢を持つように心がけましょう。

コミュニケーション能力

自分たちのオフィスで働く男性

フリーランスSEにとって技術や経験と同じくらい大切なのが、コミュニケーション能力です。

このコミュニケーション能力は交渉術と違い、仲間と仕事をうまく進めていく能力のことをいいます。

フリーランスSEとなると、大きなプロジェクトでは他のフリーランスSEや企業のSEと仕事する場面が非常に多くなります。そのため、自身の技術や経験を通じてプロジェクトに貢献することはもちろんですが、それ以上に他のプロジェクトメンバーとうまくやることが大切になります。そのためにはコミュニケーション能力が重要になってきます。

また、他のSEとコミュニケーションを深め人脈を広げていくことで、人脈を通じた案件の獲得も期待できるのです。

また、フリーランスSEの中には人付き合いが苦手で独立した方もいるかもしれませんが、会社員と異なる点はフリーランスSEはあくまで期間限定の案件ベースで働ける点です。このため、長期にわたって煩わしい人間関係に悩まされることがないのはメリットの一つとして挙げられるでしょう。

プロジェクトが無事に完了すれば、プロジェクトチームも解散になることが多いため、人間関係という意味ではフリーランスSEストレスフリーな働き方が可能と言えるかもしれません。

理想的な案件の探し方

さて、では自分に合った理想の案件に巡り合うためにはどうすればいいのでしょうか。前述したようにフリーランスSEは煩わしい人間関係とは一線を画すことが可能ですが、一報でより良い案件を得るためには、クライアントなどとの長期にわたる継続した信頼関係を築くことが欠かせません。

紹介してもらう

達成した

実際、フリーランスSEの多くは、過去の案件で知り合った人などからの紹介で新たな仕事を獲得するということが多いようです。

これは例えば、以前一緒に仕事をしたクライアントや同じフリーランスSEなどの知人から他に需要がありそうなクライアントを紹介してもらうという方法です。

フリーランスSEとして継続して安定した仕事を獲得している方の多くは、この紹介で仕事を獲得しています。

知人の紹介ということもあり、交渉も苦労せずに上手くいくということや信頼されるという点がメリットです。もちろん知人経由で案件を紹介してもらうためには、過去の案件における自らの仕事ぶりや人柄を評価してもらっていることが前提です。

エージェントに頼る

微笑む社員たち

一方、自らの人脈だけで継続的に案件を獲得できるかどうか不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

また、まだ駆け出しのフリーランスSEとして仕事を紹介してもらえるような人脈を構築できていないという方も少なくないでしょう。でも、ご心配は不要です。

プロフェッショナルITエンジニアのための求人・案件情報サイトを運営しているA-STARをはじめ、フリーランスSE向けのエージェントサイトが数多く存在します。

交渉やコミュニケーション能力に自信がないという方は、まずはエージェントサイトに登録し、気になる案件を探しながら、エージェントに仕事の紹介はもちろんのこと、フリーランスSEとしてのサポートについて相談してみてはいかがでしょうか。

サイトによっては事務作業などを請け負ってくれるサービスもあるので、自分に合ったエージェントサイトを探してみましょう。

スキルを磨き続けよう

講習会で学ぶ大人

ここまで、フリーランスSEの案件や報酬などをご紹介してきました。

フリーランスSEが報酬や年収をアップさせるには、スキルを磨き続けることが大切だということもわかりましたね。

技術力を高めSE案件のトレンドを読み取って、需要に合った供給ができるようなフリーランスSEを目指してみてはいかがでしょうか。

多くの技術を身に付けることは大変ですが、それが強力な武器になり得ます。

フリーランスSEとして第一線で働き続けるためには、会社員時代よりも成長意欲が必要です。

フリーランスSEとして独立したからには、一技術者として自らの腕を磨き続けることも大事ですが、それ以上に一国一城の主として経営者としての視点を持つことが欠かせません。

そのためには、日々変化し続けるテクノロジーのトレンドや企業が求めるビジネスニーズをキャッチアップしながら、自らの市場価値を高められるよう、いつまでも学び続けるという姿勢を大切にしましょう。