はじめに

フリーランスとしてすでに活動しているエンジニアやフリーランスエンジニアに転向を考えている会社員エンジニアの方はSES案件の受注を検討したことはあるでしょうか。

フリーランスエンジニアがSES案件を行うメリットは多いのですがネックとなるのが案件を紹介してくれるSES企業が本当に信用できるかどうかの判断です。

そこで今回は優良SES企業を見極めるポイントをご紹介していきます。

フリーランスエンジニアがSES案件を行うメリットやフリーランスエンジニアのメインとなる年齢層、SES企業を利用する際の注意点もまとめました。

フリーランス向けSES企業に対しての知識をつけて良質なSES案件を受注できることを目指しましょう。


フリーランスエンジニアの仕事にはSES案件が多い

正しいドアを選択するビジネスマン


フリーランスで働いているエンジニアは常駐型と在宅型の2つに分けられます。

常駐型はSESとして自社開発している客先の会社に出向して仕事をするので会社に勤めているエンジニアと同じく客先で開発業務を行う働き方です。

基本的には週5日勤務する形式になりますがクライアント次第で週3日など変動することもあります。

在宅型はプログラムを受託開発して納品する請負契約の仕事が一般的で多くの方が想像するフリーランス像に近い働き方です。

最終的に成果物を納品できればいいため好きな時間や好きな場所で仕事ができるというポイントがあります。


フリーランスエンジニアがSES案件で働くメリット

フリーランスエンジニアといえば在宅型というイメージが強いかもしれませんがSES案件のメリットは在宅型の働き方にないものばかりです。

ここではフリーランスエンジニアがSES案件を受けるメリットについて説明します。


案件を獲得しやすい

Web開発


SES案件は請負案件よりも多く出されており仕事を獲得しやすいというポイントがあります。

この背景にあるのはIT業界の慢性的な人材不足です。

経済産業省はIT業界における人材需要を取りまとめた『IT人材需要に関する調査』で2020年には303,680人が不足するという調査結果を算出し不足人数は年々増え続ける見通しを立てています。

そのため企業は即戦力となる人材を常に欲しており、かつ一時的に関係を持つことのできるリスクの少ない流動的な人材としてフリーランスエンジニアの常駐勤務に対するニーズが高まっているのです。

エンジニアの数よりSES案件数が多い時代ですので企業よりエンジニアが主導権を持って仕事を選ぶこともできます。


収入が安定している

SES案件は請負型の案件と異なって納品物に対してではなく、働いた時間によって報酬が支払われる準委任契約制です。

契約の多くは3ヶ月単位で更新されていくため案件が途中で切れにくいという特徴があります。

SES案件は獲得しやすいこともあり契約が更新されなくても他の案件がすぐに決まりやすく安心して働けるのです。

一般的にフリーランスは自由な反面、収入が不安定であることが珍しくありません。

SES案件だと安定した生活を送れるという点は非常に優れたメリットでしょう。


単価が高い

フリーランスエンジニアにおけるSES案件の単価は高額なケースが一般的です。

言語にも左右されますが需要のあるJavaだと月額50万円から80万円が平均単価となっています。

正社員で高いポジションにいてもなかなか届かない額ともいえるでしょう。

当然あくまで総支給なのでこれらの額から健康保険や住民税などを支払わなければならない点は注意してください。


多くの現場を経験できる

たくさんのモニタがあるシステム制御室


契約の多くは3ヶ月単位で更新されていくためさまざまな開発現場を渡り歩き、スキルを向上させることも可能です。

正社員など企業に所属するエンジニアでは自分の意思のみで開発現場を変えることはできません。

フリーランスエンジニアとしてSES案件を受けるのには自分のスキルアップに繋がるメリットがあります。


フリーランスエンジニアのメイン年齢層は30代と40代

フリーランスエンジニアに転向しようか検討している方は『現在の年齢でフリーランスになって大丈夫だろうか』と考えることがあるはずです。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が発行している『フリーランス白書2019』の調査に協力し、回答したフリーランスの年齢層は以下のように記載されています。

20代:9.9%

30代:40.3%

40代:33.0%

50代:14.3%

世代別で見ると圧倒的に30代と40代が多く、その次に50代が多いという結果になっています。

Webメディアで20代の若いフリーランスエンジニアに関する特集が組まれているケースも多く目にしますがそれはごく一部であって実情とは異なるというわけです。

そのため40代になってフリーランスエンジニアを目指すことは遅くありません


フリーランスエンジニア向けSES企業とはエージェントサービスである

リンククラウド技術


安定した生活が保証されるSES案件は魅力的ですが、フリーランスエンジニアに向けたSES案件だけ取り扱う企業というものは滅多にありません。

あっても小規模な企業が多く取り扱っているSES案件に関してもあまり期待ができないことがほとんどです。

そのためフリーランスエンジニア向けエージェントサービスを利用してSES案件を紹介してもらうことが一般的になっています。

つまりフリーランスエンジニアにとってSES企業とはSES案件を提供してもらうためのエージェントサービスといえるでしょう。


優良SES企業を見極める一番のポイントは営業の質

リンククラウド技術


優れたSES企業を見極めるポイントはエージェントと呼ばれる営業担当の質です。

ここではチェックするべき営業担当のポイントを説明します。


エンジニアに対して親身になってくれる



常駐先の人間関係や仕事に対する相談は営業が窓口になります。

トラブルなどがあった際には相談することによって常駐先に対して要望を言ってもらうなど営業はSES案件で働く場合は命綱のような存在です。

営業との面談時は困ったことや悩みごとができたときにすぐ連絡が取れて親身になって相談に乗ってくれるのかよく観察して確認しましょう。


レスポンスが早い

人々


営業がメールでのやりとりや電話の折り返しなどレスポンスが早い場合は信頼できるポイントとなります。

レスポンスが遅いと他の仕事も遅いかルーズである可能性が高いため注意するべきでしょう。


技術に関して理解がある



営業といえどもエンジニアと接するわけですから技術に関して知識のある営業の方がエンジニアの要望を汲み取ってスムーズに最適な案件を紹介してくれます。

エンジニアと営業はチームでもあるため技術面でのコミュニケーションも可能な人物が営業部にどれくらい存在するか確認してみましょう。


営業以外で優良SES企業を見極めるポイント



営業がよければ優良なSES企業であるとは一概にいえません。

営業以外で優良SES企業を見極める重要なポイントは1次請案件をどれだけ保有しているかという点です。

2次請け以降になると待遇や労働環境も悪くなっていき多い残業や休日出勤も求められる可能性が出てきます。

1次請けであれば劣悪な環境である場合はまずありません。

良さそうなSES企業を見つけたらどの程度1次請けの案件を保有しているか確認しましょう。


SES企業を利用する際に気をつけること

注意


SES企業を利用する際はホームページを閲覧または営業に直接確認しておくべき点がいくつか存在します。

ここでは確認しないと後悔する可能性があるポイントについて説明します。


自分の年齢で利用登録できるか

SES企業によっては利用登録の年齢制限を設けているところが存在します。

そのため自分の年齢で利用したいと思っているSES企業のサービスが受けられるのか確認が必要です。

またSES企業自体には年齢制限はなくてもSES案件に年齢制限が設けられているケースもあります。

こちらは営業に確認を取るようにしましょう。


希望年収を伝える

収入


営業から提案されるSES案件のミスマッチを防ぐためは希望年収をしっかり伝えることも大切です。

希望年収に合致する金額を提示しているSES案件を積極的に紹介してくれますが、あまりに高額だと自分が未経験な分野の案件を持ってこられる可能性もあるため現実的な金額にしましょう。

またこれからどのようなフリーランスエンジニアとして活躍していきたいのかキャリアプランを伝えるのもおすすめです。

自分の市場価値に疑問があるようならばどれくらいの年収が望めるのか相談するのもいいかもしれません。

ミスマッチした案件を紹介されると時間の無駄になってしまうため希望や相談は先に伝えておくのが適切です。


手数料をチェック

成功を掴んだ男性


SES企業ではフリーランスエンジニアの単価から10%以上の手数料が引かれる仕組みになっています。

手数料の割合はSES企業によって異なってくるため利用する前に必ず確認しましょう。

また案件を受けるか考える際は単価から手数料が引かれた額で計算するようにするべきです。

額面で大きな額だったとしても手数料が引かれるとそれほど自分には入ってこないケースもみられます。


SES案件は大都市中心で地方は少ない点に注意

単価が高くフリーランスエンジニアとして安心して働くことができるSES案件は基本的に東京や千葉、神奈川、大阪など人口が多い大都市に集中しています。

そのため東北や四国など地方にはあまりSES案件はなく在宅型の案件が中心です。

地方に住んでいるフリーランスエンジニアはSES企業に登録して、住んでいる地域にSES案件が発生したら声をかけてもらえるように営業に頼んでおきましょう。

あらかじめ話をしておくことによってSES案件で働くチャンスを逃さずにキャッチできます。


フリーランスエンジニアにおすすめの代表的な優良SES企業

知性的なビジネス分析


前章までフリーランスエンジニアがSES案件で働くメリットやSES企業の見極め方を説明してきましたが、「具体的な優良SES企業とはどこか」という疑問も生じたのではないでしょうか。

ここではSES案件を取り扱っている優良かつ有名なSES企業をいくつかご紹介していきます。


エンジニアファクトリー

年齢制限があるSES企業がある中、年齢不問でどの年代のフリーランスエンジニアでも利用できます。

特に40代の利用者が多いことが特徴で利用登録することで非公開案件も紹介してくれます。

エンジニアファクトリーはこちら


Pe-BANK

40代や50代も利用登録可能で、特に業務系のSES案件に強みを持っています。

元SIerのフリーランスエンジニアやSIerの経験を生かしてフリーランスエンジニアになることを検討している方におすすめです。

全国的に支店を持っているため地方住みでも案件を紹介してくれるところも見逃せません。

Pe-BANKはこちら


ハッピーエンジニア

利用登録に関して年齢制限がなく60代が活躍できる案件まで幅広く用意しています。

クライアント1次請けのSES案件に特化しているため単価が高く、労働環境も担保されているため安心して利用可能です。

ハッピーエンジニアはこちら


ITプロパートナーズ

週二日から常駐できるSES案件を多く取り揃えていることで有名であり、短時間労働を希望しているフリーランスエンジニアから多く支持されているSES企業です。

またクライアント1次請けの案件を多く用意することによって少ない出社日数でも十分な報酬を得ることを可能にしています。

ITプロパートナーズはこちら


統括

ドアに入るビジネスマン


今回の記事のチェックポイントは以下の通りです。

  • フリーランスエンジニアのSES案件は獲得しやすく、働いた時間に応じて報酬が支払われるため生活を安定させやすい
  • フリーランスエンジニアのメインとなる年齢層は30代と40代
  • 優良SES企業を見極めるポイントは営業担当の質。特に親身になってくれるかが大事
  • SES企業を利用するときは希望年収をきちんと伝えることによって、提案される案件のミスマッチを防ぐこと

IT業界の人材不足は年々深刻になっており、今後もSES案件に対するフリーランスエンジニアの需要は増える見込みです。

フリーランスエンジニアでありながら会社員のように開発現場に派遣されて働くSES案件は会社員より収入が高く在宅型のフリーランスエンジニアより安定感のある生活を送ることを可能にしています。

特に会社員エンジニアで生活の安定感を維持しつつ現在より多くの報酬が欲しい場合は転職よりSESフリーランスエンジニアに転向するという方法も年収を上げる手段のひとつといえるでしょう。