Yoast SEOはWordPressというソフトのプラグインでSEO最適化を図るためのツールです。オランダのYoastが開発しました。

コミュニティへの還元」を基本理念としている会社で、それはYoast SEOという形で具現化されています。

Yoast SEOに関連する用語の意味やその機能、特徴、使い方などの他、アナリティクスとの連動なども含む盛沢山の解説を提供します。

効果的なSEO対策に興味のある方には是非ご覧頂きたい内容です。


Yoast SEOとはどんなもの?

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Yoast SEOWordPressのプラグインです。SEO対策の機能として世界で最も使われているといわれています。

900万以上のWebサイトに於いて利用可能な状態です。

Yoast SEOの輪郭を把握するため、まずいくつかのサイドインフォメーションを紹介します。


開発者

Yoast SEOを開発したのはオランダのYoastという会社です。

Yoastはオランダのヘルダーラント州にあるWijchen(ヴィヘン)という基礎自治体に拠点を置いています。

基礎自治体というのは議会や首長が存在して自治を展開する国に於ける行政区画中の最小単位です。

マリーケ・ファン・デ・ラックという女性のCEOを筆頭に80名のエンジニアが所属する会社です。

この女性CEOは社会科学の博士号を取得しており、2013年からYoastの事業に専念しています。


創設者

Yoastの創設者はヨースト・デ・バルクという人物です。2010年にYoastを設立しました。

Yoastの最高製品責任者として君臨しており、Web開発やデジタルマーケティングとしてのキャリアを積んできた人物です。

見つけやすいWebサイトの構築とオープンソースを標榜していることでも知られています。


組織

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ヨースト・デ・バルクをリーダーとするチームヨーストは80名以上のエンジニアで構成されています。

コンテンツマーケティング、Web開発、ソーシャルメディアコーディネーター、データアナリスト、ソフトウェアアーキテクトなどのエンジニアが揃う組織です。

エンジニア以外にも人事・財務のマネージャーや言語学の専門スタッフまで配置されています。


歴史とミッション

20歳からIT企業での勤務を開始したヨースト・デ・バルクは、2005年にWebkitのプロジェクトに参加しました。

WebkitはオープンソースのWebブラウザエンジンで、AppStore、Linuxなどのアプリに搭載されているエンジンです。

彼はそこで「誰でも使えるものを創ること」に歓びを見出すこととなります。

それはYoast が掲げる「オープンソースという基本理念」を生む土壌となりました。

ヨースト・デ・バルクは結婚して2006年に長男を授かることとなります。妻は後にYoastのCEOとなるマリーケ・ファン・デ・ラックです。

彼女の育児をサポートするために家から近いところで働きたいと考えた彼は、SEOコンサルタントの職に就くことを選びました。

それまでSEOには全く無感心でしたが、そのテクノロジーに触発されてSEO専門家としての道を突き進んだ結果、Yoast SEOが誕生します。


WordPressとは

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Yoast SEOの創設者ヨースト・デ・バルクは、SEO専門家としての活動と並行してSEOのテクノロジーを活かせるCMSを探していました。

CMSとは「Contents Management System」の略称で、特別なWeb知識抜きでもサイトやコンテンツの制作ができる管理システムです。

そこで出会ったのがオープンソースであったWordPressというソフトになります。

直ちにWordPressコミュニティのメンバーとなりプラグインの開発を始めました。

そのWordPressは例えばホームページを作る場合、HTMLという言語を用いてコーディングしたり記事を書いたりしなければなりません。

その点WordPressならHTMLのコードを知らなくても、Wordに文章を書いたり写真を貼ったりするだけでWebサイトの記事を作ることができます。

世界中のWebサイトの四分の一はWordPressで作られていると言われています。

そしてWordPressの最大のメリットはプラグインという拡張機能を無料で利用することができる点です。

Yoast SEOはその代表格として知られています。


SEOについて

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次にSEOについても見ておきましょう。SEOをよく知ることはYoast SEOをより深く理解するのに役立ちます。


SEOの概念

SEOは「Search Engine Optimization」の略語です。「検索エンジン最適化」と訳されています。

キーワード検索の際、ページやサイトの様々な要因を調整することで自分のサイトをより上位に表示させようとする手法です。

SEOは最初の段階でキーワードの選定とそれに対する評価を行い、次の段階でページ・サイト内・サイト外の3要因を検討することとなります。


キーワード選定

キーワードの選定に当たって大切なことは「検索ボリューム」です。その意味は「言葉を検索する人の多寡」となります。

キーワード検索した時に現れるページ数は検索頻度の問題なので検索ボリュームとは関係ありません。

ボリュームの判断に有効なのは「キーワードハンター」や「Google Insights for Search」などのツールです。

これらのツールを使いながら検索ボリュームをチェックして、意味の広さと競合の関係、キーワードの組み合わせなどについて検討を加えます。


要因別の対策の実行

最初の施策はページのタイトルコンテンツタグなどの最適化を図ることになります。

次のサイト内要因ですが、自己のサイトへの誘導が目的なのでネット上の住所に相当する「ドメイン名」の選択が重要ポイントです。

例えば競合先の少ない日本語ドメインを使うとか、トップレベルドメインを検索して空いている文字列を使用するとかの工夫が求められます。

ユニークなドメインはSEOに於いて強みを発揮するものです。

3つ目のサイト外要因の施策では、他のサイトにリンクを貼ってもらうことが中心となります。


プラグインというもの

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Yoast SEOはWordPressのプラグインであると説明しました。プラグインとはどんなものでしょうか。


プラグインの役割

プラグインはソフトに対して機能を追加するためのものです。

例えばスマートフォンという通話・メール機能を持った機器に対し、ゲームアプリを追加することをイメージして下さい。

プラグインは特別な機能を持つものばかりではありません。ビギナー用の使いやすいものや無料で提供されているものまで様々です。

他のメディアとの連携サポート、スマートフォン向けのサイト自動生成機能、Webサイトに対するバックアップ機能など種類も多岐に亘ります。

これらの充実したラインアップもプラグインの特徴です。


プラグインとアドオンの違い

拡張機能を意味する言葉としてプラグインとは別にアドオンという言葉もあります。その違いは何でしょうか。

プラグインの場合はソフトに全く新しい機能を外部から付け加えることを意味します。

一方のアドオンは対象となるソフトの内部に機能を追加することです。

アドオンでは対象となるソフト自体の設計がアドオンの導入を前提としていなければなりません。


Yoast SEOの機能と特徴

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Yoast SEOが保持している主な機能特徴について項目毎に説明します。


XMLサイトマップの自動生成

XMLというマークアップ言語のファイルでWebサイトのURL、最終更新日、更新頻度などの情報を保有するのがサイトマップです。

これを自動生成して検索エンジンに対しサイトの状態を伝える役目があります。


ソーシャルメディアの設定

サイトへの誘導には検索エンジンと共にソーシャルメディアとの連携も重要です。Yoast SEOではTwitterやFacebookの設定が簡単に行えます。


パンくずリストの設置

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パンくずリスト」の由来は童話のヘンゼルとグレーテルです。開いているページが階層構造のどのあたりに位置しているかを示してくれます。

童話では家に帰るための「道しるべ」を意味しています。この機能は「ハイパーリンク付きの道しるべ」です。


RSS フィードにテキスト挿入

Webサイトの更新情報をデータ形式でタイムリーに配信してくれるサービスがRSSフィードです。その中に任意のテキストを挿入できます。


Google検索結果のプレビュー

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リンクの上にマウスをかざせばページを開かなくてもプレビューさせてくれます。


投稿・個別ページのタイトル・メタディスクリプション設定

メタディスクリプション設定とはページコンテンツを100字程度にまとめてくれる「要約」機能です。ユーザーのクリック率に影響を与えます。

これらの内で特徴的な機能として評価されているのは「パンくずリスト」です。

コンテンツを可視化できる機能であり、ページの位置情報を教えてくれるWeb上の「GPS機能」のようなものと考えて下さい。

SEO対策上も有効な機能として評価されています。


Yoast SEOの設定-基礎編

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Yoast SEOは文字通りSEOに特化したプラグインですが、機能を発揮するには有効な設定が行われている必要があります。

主要項目に対する設定ガイドラインは次の通りです。


インストール

最初はYoast SEOのインストールからです。WordPressの管理画面を使います。

プラグインから新規追加でYoast SEOを選び、インストール、有効化と進めて下さい。


設定ウィザード

まず基本設定から始めます。初めてプラグインを使用する際には「First-time SEO configuration」という設定ウィザードが現れます。

  • 環境:OptionAを選択
  • サイトタイプ:ブログ・ニュースチャネルなど自分に最適のサイトをチェック
  • 法人・個人:法人なら法人名を入力
  • Search Engine Visibility:初期設定のままを推奨
  • 複数の作成者:Yes・Noを入力
  • Googleサーチコンソール:使わない場合はNextを選択
  • タイトル設定:サイト名・区切り文字を選択

ここまでで基礎的項目の設定完了です。

これ以降はサイドバーのSEOメニューを使っての入力となります。「全般」を選択して使用する機能をOn・Offで指定します。


SEO analysis

文章としてSEOに適しているかの判定をしてくれる機能です。


可読性解析

文章の読みやすさの判定機能になります。


コーナーストーンコンテンツ

重要なページとして認識されるための機能です。


テキストリンクカウンター

ページ内から外部へ、また外部から自身のページへのリンク数計測を行います。


XML sitemaps

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サイトマップを自動生成してくれます。XMLというマークアップ言語で記述されているものです。


Ryte integration

Googleにインデックスされているかを毎日チェックしてくれます。


管理バーメニュー

管理バーへのメニュー追加を行います。


Security: no advanced settings for authors

管理者・編集者以外のユーザーに対し、メタボックスの設定を非表示にする機能です。


Yoast SEOの設定-上級編

設定


ページタイトルや説明のテンプレートなどはアーカイブ毎に設定することが可能です。

サイドバーのSEOメニューからSearch Appearanceを選択します。ここからは上級編です。


Content Types

「投稿」と「固定ページ」の2つのデフォルトに対し、カスタムの投稿タイプを追加設定できます。


Media

タイトルのテンプレート設定が可能です。


タクソノミー

タクソノミーは分類という意味です。「カテゴリ」と「タグ」という2つの分類がWordPressにあります。

アーカイブページのタイトルなどを設定する機能です。


アーカイブ

アーカイブページのタイトル設定機能になります。不要ならOffで構いません。


パンくずリスト

Yoast SEOの特徴的機能です。設定を有効にしてリスト表示させることができます。


Yoast SEOの日常的な運用

運用


基本的なことですがYoast SEOの設定を終えれば毎日保守すべき項目はありません

但し中にはSEO対策として常に注視しておくのが望ましい項目もあります。運用保守項目としてフォローしておくことをお勧めします。


Focus keyword

ページのヒット率を高めるためのキーワードを評価しフィードバックしてくれる機能です。改善すべき点の提案も返してくれます。

キーワードを入力して解析結果をチェックして下さい。重要度がオレンジの3色で表示されるでしょう。

緑は良好で赤は重要度が最も高いとされています。


SEOタイトルとメタディスクリプション設定

要約


メタディスクリプション」はコンテンツの要約文で100文字前後が1つの目安とされているものです。

タイトルが必須であるのに対し、メタディスクリプションは設定が任意で検索順位には影響しないという意見もあるようです。

しかし効果的な設定ができればクリック率・アクセス数は確実に増えます。是非設定しておいて下さい。その際、文字数には配慮が必要です。

Googleが推奨するのはスマホ50文字PC120文字ですが、スマホユーザーの方が多くなっています。

前半の50文字に重要な情報を織り込み、後半70文字で補足説明を加えるというスタイルが望ましいと言えます。


ソーシャル設定

コンテンツとソーシャルメディアとの関係に於いて可能性が見込める場合は設定しておくと良いでしょう。


Yoast SEO以外のWordPressプラグイン

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SEOの効果を高めるプラグインは沢山存在しています。

数多あるプラグインの中から厳選した10本を米国の著名なSEOサービス提供会社であるNEILPATEL社が推薦しています。

参考までにご紹介しましょう。

  • Yoast SEO
  • All in one SEO Pack
  • Google XML Sitemaps
  • Broken Link Checker
  • Google Analytics for WordPress by MonsterInsights
  • W3 Total Cache
  • All In One WP Security & Firewall
  • WPtouch
  • Yet Another Related Posts Plugin (YARPP)
  • Seo Optimized Images

出典元:https://uruchikara.jp/wordpress-seo-10plugins/

やはりYoast SEOとAll in one SEO Packの両雄が人気を二分しているようです。

検索エンジンに対して働くGoogle XML Sitemapsも含まれています。

リンク切れのチェックを行うBroken Link Checkerやオープンソースのセキュリティ対策を担うAll In One WP Security & Firewallもありました。

プラグインの選択に悩む人はこれらについて是非検討してみて下さい。


アナリティクスとの関係-連動できる?

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アナリティクスというアクセス解析ツールがあります。サイトへの訪問者・離脱者の数・流入経路・滞在期間などのデータ解析ができるものです。

WordPressのサイトに導入して連携を取ることもできますが方法は2つあります。

  • テーマを編集
  • プラグインを利用

後者の方がより簡単です。「Google Analytics for WordPress」というプラグインを使って導入する方法をお勧めします。

Google Analytics for WordPressをインストールすると管理画面が登場します。

UAコードの手入力をチェック、トラッキングID入力、Update Google Analytics Settingsというタグを押す、これだけの手順で完了となります。

サイトを解析してユーザーの動静やニーズを把握しましょう。


Yoast SEOのプレミアムと無料版

プレミアム


Yoast SEOはオープンソースの無料版が基本ですが、プレミアムコースも用意されています。その違いを比較してみましょう。


価格

プレミアムは1サイト89ドルで1年間の無償アップデート付き


1ページ当たりの最適化可能キーワード数

無料は1、プレミアムは5


ページプレビュー

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無料はGoogleのみ、プレミアムはFacebook、Twitterもあり。


可読性チェック

両者共通


パンくずリスト

両者共通


重複コンテンツ防止

両者共通


各種技術設定

両者共通

内部リンク提案・コンテンツチェック・24時間サポート・広告非表示といったサービスはプレミアムコースだけのものとなっています。

この比較でも明らかなように無料版の機能だけでもかなり有益です。

設定時間の短縮などのメリットもありますが、プレミアムは大規模組織向きと言えるでしょう。


魅力溢れるサイト

プラグイン


WordPressは元々最低限の機能だけを盛り込んだソフトです。ソフトとしての柔軟性を持たせるためにそのように設計されています。

そこにプラグインという機能を付加することで独創的・個性的なカスタマイズができるようになりました。

WordPressの設計コンセプトを活かし、効果的なプラグインを設定することで魅力的なサイトを構築して下さい。