【企業取材】国内唯一の「ソーシャル・アップデート・カンパニー」みんな電力株式会社さんをインタビュー!
ITリソースの増員背景は?
弊社は現在電力小売事業をメインにしておりまして、その中にシステム部隊がいます。
他のSIerさんやシステム開発会社さんにと比べると、クライアントサイドとの距離が近いというのが大きな特徴です。
今までは技術の部分を外部に頼むことが多くありました。例えばデザインであればデザイン会社さんですね。
社内のリソースだけで全てを完結するとガラパゴス化してしまうと考えていますので、外部活用は良い選択肢なのですが、スピード感に欠ける点が課題だと感じています。
弊社はまだ成長途中の会社で、エンジニア領域については人より案件のほうが多いといいますか、絶対的な人手不足が続いています。
その中でご協力くださるフリーランスの方には、ご自身が得意とする技術領域について他のフリーランスの方や社員にフィードバックしていただいているのが現状です。
募集エンジニアのポジションと仕事内容
現在ですと、ブロックチェーンの分野に造詣が深い方には技術的なアドバイスをいただいたり、ブロックチェーンを取り扱っている案件の管理をお願いしています。
技術力が高いフリーランスの方には個別の案件の「作業者」として活躍していただくだけではなく、チーム全体の技術サポート・相談役のポジションでも活躍していただきたいです。
仕事の内容としては、例えばフロントエンドができる方を募集していますが「フロントエンドの仕事だけ」ということではありません。
企画段階から携わっていただいたり、もちろんバックエンドが出来る方でも構いません。
今はレビュワーが不足しているのでレビューができる方がいると嬉しいですね。
新しい技術をもたらしたり提案したり、実際にそれを弊社の中に取り入れて形にしていく動きが取れる方を求めています。
電力事業の部分ですと、もちろん既存のシステムがあるわけですが、その保守や機能追加というよりも、これから始まる新しい事業のPOCですとか「そのもの」を作り出せる環境にしたいと思っています。
フリーランスの方は色々な技術に精通していらっしゃると思うので、弊社にとっての新しいもの・良い方法をどんどん取り入れていただきたいです。
ご自身の手で新しいものを作るだけでなく、システムチームの中でこのノウハウをぐるぐる回して新しいものを次々に生み出せるようにしたいと思っています。
事業ビジョンや今後の事業展開は?
弊社は元々凸版印刷にいた代表の大石が再エネ事業会社として2011年に立ち上げた会社です。2016年から「顔の見える電力™」の供給を開始しています。
電気は生活に必要なものであるにもかかわらず「自分はどこにお金を払っているんだろう」「この電気はどこから来ているんだろう」と不透明な部分があります。
これに対して、発電者さんがどういう思いを持って、どういったストーリーで発電に取り組んでいるかを弊社ホームページなどで積極的に開示しています。
個人のお客様は、ご自身の好きな発電所を選んで毎月の電気代から100円を寄付することで、発電者さんを『応援』することができるのが特徴です。
また法人のお客様の場合、ブロックチェーン技術を活用したシステムを使って特定の発電所から電気を買うことができます。
こんなふうに、生産者と使う人をつなぐ「顔の見える電力™」を主軸事業として成長してきた会社です。
日本各地で被災地復興や地域活性化など、「想い」を持って頑張っている大小様々な発電所から電源を仕入れており、こうした方々とお客様が直接つながりを持てるサービスは少ないのではないでしょうか。
またご自身のお金が電気代として発電所に支払われていることを透明性を持ってお見せできる会社は、日本でもあまりないと思っています。
自分が支払った電気代がどこに何円届いたかを開示する技術は、システムチームのアイディアから生まれたものです。
これは弊社の大人気サービスの一つでして、システムチームの案から会社の大人気サービスが生まれる、という環境でもありますね。
現在掲げているビジョンは再エネ電力事業だけに的を絞ったものではありません。
生活に必要なものなのに、なかなか目に見えなかった・選択できていなかったもの。
こうしたものを「見える化」して選択できるようにする「ソーシャル・アップデート・カンパニー」というところをビジョンとして掲げています。
今後はブロックチェーンを基盤にしたサービス展開を考えています。
電気、空気に続き、その他のラインナップが増えていくだろうと思いますね。
「空気の見える化」とはどんなサービス?
3月下旬にローンチした「みんなエアー」という事業です。空気中の浮遊菌を採取して検査し、どういった菌がいるのかデータ化します。
そこから例えば紫外線殺菌照射装置を設置しましょうとか、もう少し空気を綺麗にするためにレイアウトを変えてみましょうという形で、空気環境を改善するソリューションを提案する事業です。
皆さんに「みんなエアー」を活用してもらうために、弊社は何ができるのか。
様々な技術をもったフリーランスの方にジョインしていただいて、ブラッシュアップしていきたいと思っています。
プロジェクトのチーム体制
まずブロックチェーン関連のプロジェクトですが、フリーランスの方が管理者として1名、サポート役で社員が1名おります。
開発は総勢3名+1社というところですね。古くからお付き合いのあるパートナー会社さんと社員が2名、フリーランスの方1名に参画いただいています。
あとはスポットでサポートする開発リソースとして社員が1名です。
電気の小売の領域でも管理者が1名おります。そこから先は5名ほどですので、総勢6名+先程の1社という形になっています。
「みんなエアー」についてはまだ企画局面ということもあって、開発体制を敷いているわけではありません。
ですがクライアントサイドとの距離が近いというのが強みですので、これを活かす形で正式案件化前の初動対応をする、というのを考えています。
また電力の小売だけでなく調達部門でもシステムのサポートがありまして、管理者が2名、開発・設計部分のデザインが1名、フロントが1名、バックヤードが1名という体制です。
開発・設計部分は全てフリーランスの方にご活躍いただいています。
基本的にプロジェクト横断型といいますか、1人の方に色々な部分を作っていただく形ですので「このプロジェクトをお願いします」という形ではありません。
活躍しているフリーランスエンジニアの特徴と期待していることは?
フリーランスの方は結構な人数いらっしゃって、週に4〜5日という形で参画いただいております。
作業内容としては、もちろんその方のキャリアに見合った領域が軸になっています。
キャリアというところだと、正社員からフリーランスに転向した方が傾向としては多いかもしれません。
その他に、今までデザインをメインにしていた方がフロントエンドにスキルチェンジを図るために参画してくださった、という例もあります。
またブロックチェーンを扱う会社でプロジェクトマネージャーをされていた方が参画してくださっています。
フリーに転身して案件に参画する傍ら、ブロックチェーンを教材とする学校の講師を務められて、その後弊社に参画というケースもあります。
働き方でいうと、弊社はこれまで常駐をメインとしていました。ただ新型コロナウイルスの影響でフルリモートになった結果、リモートのメリットも見え始めています。
今後エンジニアさんが減っていくといわれていますので、リモートでも常駐でも同じように働ける環境作りができたらと思っています。
フリーランスの方だからこそお持ちのスキル・技術力で、弊社に新たな風をもたらしてくださる。
そんな方とのご縁があったら嬉しいなという思いで、フリーランスの方も積極的に採用しております。
社風とちょっと変わった制度
弊社はフリーランスの方も派遣社員も正社員もアルバイトもインターンも、全く垣根なく情報をオープンにしています。
営業会議のようにセンシティブな数字が飛び交う会議も、学生インターンの出席をOKにしているんですよ。
フリーランスの方にはこの仕事しか、この情報しか、この権限しか渡せない、ということが全くないのでびっくりされる方もいるかもしれません。
そんなふうにやらせてもらえるんだ、と弊社側の「ウェルカム!」として捉えてくださる方もいらっしゃいますね。
また社内イベントとして「スナック再生」の日があります。
弊社の中にはスナックがあるんです。そこで月に1回社長がママとなって社員との交流、あるいは社員同士の交流を深めるイベントです。
この取り組みを始めたきっかけは、昨年の社員の増員にありました。
正社員に限らず様々な雇用形態の方が月に3〜4名のペースで増えていったので、社長は顔と名前が一致しなくなってきます。
また働くメンバーとしても社長や役員との距離が遠くなったように感じていたんです。
これを何とかしよう!ということでこのイベントを始めました。
もちろん正社員限定ではなくて、雇用形態にかかわらず皆さんが参加して交流しています。
今後一緒に働くITフリーランスへのメッセージ
雇用形態にかかわらず「プロジェクト愛」やみんな電力の「事業愛」がある方は、企画やブレストから入ってどんどん提案して、ご自身でシステムを作っていただくこともできる環境です。
ただフリーランスの方の中には、技術を吸収してキャリアアップしたいという方も多いので、弊社で1〜2年かけて技術を習得した後別の会社へ移るという方もいるんです。
弊社はプロジェクトごとに新しい技術を取り入れるようにしています。
システムチームでは週に1回勉強会をやっていて、技術研鑽の時間も雇用形態に関係なくもっています。
普通の会社さんなら自己研鑽は努力目標として処理されがちですが、弊社は本年度から自己研鑽の費用を予算に計上して、会社・チームとしての取り組みとしました。
これをぜひ活用して新しい技術を持ち込んで、かつ吸収してほしいです。
今まで経験してきた業界や再エネへの関心というのはあまり問題ではありません。
当初社員の中にも再エネに興味がなかった方はいますし、私自身も元々エネルギー事業がやりたい、というわけではありませんでした。
弊社に集ってくださっている方の共通点は「再エネのことはよく分からないけれどとにかく世の中をおもしろおかしく良くしていきたい」というノリを持っている点だと思いますね。
ですから、別の会社に移った方がもう一度弊社に戻って、更に新しい技術を吸収してまた出ていく、という関係になれたらなと思っています。
弊社の事業を理解していて事業愛があり、弊社の雰囲気を知っている方が弊社のリピーターになる。この垣根を低くしています。