近年、人々の価値観は多様化し「仕事・働く」ということの概念にも影響を与えています。
「働く=生活費を稼ぐ」から「やりがい」や「働き方」「働く環境」といった「生活費を稼ぐ+α」を重視する人が増えた結果、フリーランスで働く人、働きたいという人が急増しているのです。
今回はフリーランスエンジニア、特にSIer系のエンジニアとして良案件を獲得する方法をご紹介していきます。
急増するフリーランスエンジニア
日本におけるフリーランスの人口について
日本でフリーランスとして働く人は労働人口に対して17%を占めるというデータが出ています。
経済規模という視点からみると2017年には18.5兆円だったのが2018年には20.1兆円にまで増加しているため、大幅に拡大している市場です。
アメリカではフリーランスで働く人が労働人口の35%を占めていることから数年後には日本でも同程度の割合まで増加するのではといわれています。
フリーランスエンジニアの案件獲得の難易度とは
これだけフリーランスが急増していては案件を獲得し、ましてや会社から独立して生計を立てていくのは難しいと思われる方もいることでしょう。
しかし現在のIT業界は深刻な人手不足であり、その現状が更にIT需要を高めています。
エンジニア募集の案件は日々大量に出されているため一定の知識と経験がある方であればフリーランスエンジニアとして案件を獲得すること自体はそう難易度の高いことではありません。
しかし単価の高い良案件などは必然的に応募が殺到するため難易度が上がってしまいます。
案件獲得のために求められること
フリーランスエンジニアに求められるスキルとは
より良い案件を獲得するために必要なものとはなんでしょうか。
前述の通り、一定の知識とスキルは必要不可欠な要素です。
プログラミング言語を例に挙げると現状で多くの企業が求めているスキルは「Java」と「PHP」の2つが中心となっています。
つまりこの2つの言語を抑えていれば案件を獲得することは可能といえるでしょう。
ですがより良い案件、すなわち高単価の案件を獲得したいということであればさらに知識と経験が必要になります。
受託金額の相場では「Java」や「PHP」よりも「Ruby」や「Android Java」「Objective-C」の方が10~20万円ほど月額が高い傾向です。
案件数が少ない「Swift」や「Python」、「Go」といった比較的新しい言語も相場が高く希少性の高いスキルであることから競合相手も少なく効率的に年収アップが期待できます。
フリーランスエンジニアには「人間性」も重要
フリーランスエンジニアは腕一本で生計を立てていくことになります。
スキルさえあればいいと考えがちですが依頼者と契約を結んでいる以上、求められている労働や成果物を納期までに提供しなければなりません。
そして応募から契約、納品まで依頼者と密にコミュニケーションをとることが必要になります。
そのため社会人として契約や約束事をきちんと守り、コミュニケーションをとることができるかどうかという人間性も重要なポイントです。
より良い案件を獲得するためには
人脈は案件獲得のための鉱脈である
フリーランスエンジニアとして活躍されている方の多くは会社員としてエンジニアの経験を積んでこられた方です。
会社員時代に培ってきた人脈は良案件獲得の宝庫といえます。
依頼者も既に取引経験があり、スキルや実力、実績と人柄のわかっているエンジニアに依頼する方が断然安心できるでしょう。
フリーランスエンジニアとして独立した際には一度会社員時代の担当者に挨拶してみるべきです。
自分自身を評価してくれる依頼者は貴重な存在と考え、大切にしていきましょう。
人脈をフル活用しましょう
人脈は仕事関係だけではありません。
家族や友人も立派な人脈です。
例え直接契約を担当していなくとも契約担当者に顔つなぎをしてくれる可能性もあります。
独立した際には将来に備えて声をかけてみることをおススメします。
WEB・SNSの活用も忘れずに
人脈をフルに活かしたところで外部に向け自分自身をアピールしていく必要があります。
ネット社会ではSNSを利用すると今まで繋がりのなかった人々と簡単に繋がることができ、多くの人にアピールすることが可能です。
余力があれば自分のホームページなどを立ち上げても良いでしょう。
どのようなことができて、どのような実績があるのかを分かりやすく提示できれば依頼率もアップします。
各種SNSと連携させればより効果的です。
エージェントを利用しよう
より良い案件を獲得するためにここまでご紹介した方法はインバウンド型(プル型)といえるでしょう。
次にご紹介する方法はインバウンドとアウトバウンドの中間である「エージェントの活用」です。
エージェントを活用することの最大のメリットは代わりに営業活動を行ってくれる点といえます。
フリーランスエンジニアとして会社から独立する際の一番の不安要素としては案件をとれるかどうかということでしょう。
自分に合った仕事内容や見合った単価の仕事を見つけ、応募に向けやり取りをするのは手間と時間もかかります。
その点エージェントを活用すれば自分に合った仕事を紹介してくれるだけでなく、より高単価の案件で年収アップを目指すことも可能です。
フリーランスエンジニアとして活動していくと孤独や不安を感じる場面も多々出てきます。
そういった場合に相談できるエージェントは心強い存在にもなるでしょう。
エージェント会社との相性も当然ながら担当者との相性も大切です。
親身になってくれる担当者がいる会社を選んでみるのがいいでしょう。
紹介サイトを活用をしてみよう
最後に案件紹介サイトの活用についてみていきます。
案件探しで一番メジャーな方法が案件紹介サイトの活用といえるでしょう。
自分で積極的に応募して依頼者にアピールしていく必要があるので、完全なアウトバウンド型、つまり攻めの営業方法の一つです。
紹介サイトを活用するメリット
紹介サイトには1年を通して大量の案件が出回っています。
フリーランスとして活動していく上で年収アップを狙っていくのであれば、依頼者との単価交渉は避けて通れません。
単価交渉に欠かせないのが相場観です。
相場観を身に着け他のフリーランスエンジニアから勝ち取る術を磨く修業の場としても紹介サイトは欠かせません。
どのような紹介サイトを選ぶべきか
現在、多くの紹介サイトが存在しますが一部を除き、最初は条件より案件が多くそろっているサイトを選んだ方が無難といえます。
サイトによって様々な傾向や特色があるのでおススメの紹介サイトをいくつかみていきましょう。
おススメサイトその1:レバテックフリーランス
レバテックフリーランスの特徴
レバテックフリーランスは業界最大手であり業界最大級の案件数を取り扱っているということが最大の特徴です。
フリーランスとして活動していくのであれば抑えておくべきサイトでしょう。
おススメポイント
数多くの案件を保有しているからこそスキルやレベルにマッチする案件を見つけることかでき、マッチング度を高めることで収入アップを実現できます。
レバテックフリーランス利用したフリーランスエンジニアの多くが年収アップに成功している事例も数多く、独自案件が豊富なため単価が高いのも特徴です。
レバテックフリーランスではエージェントサービスも行っているためエージェントも活用して案件獲得につなげることもできます。
おススメサイトその2:フォスターフリーランス
フォスターフリーランスの特徴
2つ目は東証1部上場企業のグループ会社が経営するフォスターフリーランスです。
1都3県を対象としており案件によっては顔合わせや打ち合わせなどが必要になる場合があります。
地方にお住まいの方は注意が必要です。
おススメポイント
フォスターフリーランスは「最高報酬230万円」などの直請け案件が多く、高単価が狙えるのが最大の魅力といえます。
このサイトでもエージェントサービスの利用が可能なため「新しい技術に触れたい」「大規模開発をチームでしたい」などの単価以外の様々な希望に合わせた案件を提案してくれるでしょう。
常時5,000件を超える豊富な案件を誇る会社ならではの特徴といえます。
おススメサイトその3:GeekOut(ギークアウト)
GeekOut(ギークアウト)の特徴
40代以降のエンジニアにはGeekOut(ギークアウト)をおススメします。
こちらのサイトは「生涯エンジニアO.K.」と公式ホームページにも記載されている通り、シニアエンジニアをターゲットにしているのが特徴です。
おススメポイント
フリーランスエンジニアは独立している方ばかりではありません。
会社員として働きながら副業でフリーランスエンジニアとして働いている場合やいくつかの案件を兼業しているケースもあるでしょう。
GeekOut(ギークアウト)では「副業可能・在宅勤務可能」など自由度の高い案件が多いため自分のペースを重視したい人には最適です。
その他にも「私服勤務可能」や「開発マシンを選べる」といったエンジニアならではのニーズに応えてくれる求人も多く、人気を集めています。
おススメサイトその4:クラウドワークス
クラウドワークスの特徴
フリーランスエンジニア以外にも多くの人が利用しているのが「クラウドワークス」です。
利用者数は約320万人、仕事依頼件数は約289万件と突出しているため初心者でも気軽に利用しやすいのが特徴です。
おススメポイント
利用者数、仕事依頼件数共に突出した数を誇るクラウドワークスですが実はエンジニア以外の職種・仕事、例えばロゴやWEBのデザイナーや、データ収集なども多く存在しています。
そのためエンジニアの仕事はもちろんのこと、気分転換に他の仕事にチャレンジすることも可能です。
案件を獲得し続けていくとクラウドワークス上での信頼度がアップしていくので長く続ければ続けるほど、より良い案件を獲得しやすくなります。
他のフリーランスエンジニアに差をつけるために
より良い案件を獲得するためには他にも工夫をしていくことが大切です。
皆様は案件を獲得して業務が終了したらそれっきりにしてはいませんか?
他のフリーランスエンジニアから一歩抜きん出てより良い案件を獲得したいのであれば、一度繋がりをもった方は大切なお客様です。
業務が終了しても貴重な潜在顧客になり得るため定期的にメールを送るなどして繋がりを維持するよう心がけましょう。
「本当に良い案件は、外部に出回らない」といわれています。
一度お世話になった方に定期的にメールを送る作業は一見地味と思われる方も多いかもしれませんが、コツコツ努力を積み重ねていけば案件が途絶えない人気のフリーランスエンジニアになることも夢ではないでしょう。
総括
「働き方改革」や「価値観の多様化」、「労働人口の減少」「ノマドワーカー」、「終身雇用制度の崩壊」などここ数十年で仕事を取り巻く環境はめまぐるしい変化を遂げました。
そういった要因を背景に爆発的に増加するフリーランスエンジニアですが、それを上回る需要があるため人手が足りていないのが現実です。
アメリカでは十数年後には正規雇用のエンジニア数をフリーランスエンジニアの数が抜くのではとまでいわれています。
つまり今後はフリーランスエンジニアが社会を作っていくといっても過言ではありません。
大変やりがいのある仕事といえる反面、腕一本で生きていくのは勇気が必要です。
不安に駆られることもあるでしょう。
しかしその不安を払しょくできるのは自分自身以外誰でもありません。
常にアンテナを張り巡らせて情報をキャッチし、技術を身に着けていけばいつの日か案件依頼の大波が押し寄せてくることでしょう。
そのためにもより良い案件獲得に向けて工夫をしてみてはいかがでしょうか。